「刺絡」という治療法かありますが、この治療法は使い方によって劇的な
効果をあげることができる。
先日、
マクロビィオティックを実践している方ですが、市販の薬を飲んでも
頭痛がとれないし、肩凝りを通り越して「肩痛」になっているという方がい
ました。
頭痛を鍼灸で治療する場合は、痛む部位や、痛みの出方によって、以下の
6種類に分けることができます。
太陰経(肺・脾)
少陰経(心・腎)
厥陰経(心包・肝)
陽明経(大腸・胃)
太陽経(小腸・膀胱)
少陽経(三焦・胆)
その方は、脈診で肝と心の虚がありましたが、頭痛の部位は「あっちこっち
が痛い」というので、肝と心を補する治療をしたら、頭痛は取れたのですが、
「右肩甲骨の上のほうに一点だけ痛みがある」という。
触診をすると、硬結ではなく、奥のほうで、スジが引き攣っている感じがし
ましたので、一瞬、巨針にするか毫針にするか迷ったのですが、脈を診ると
整った状態でしたので、「刺絡」で治療することにした。
痛みの出ている場所を経絡で観ると、小腸経だったのですが、部位が「奥」
のほうでしたし、脈も整っていましたので、経絡バランスを整える作用のあ
る三焦経の井穴である関衝を用いることにした。
一説に、「関衝(三焦経)への刺絡は行なわない」というのがありますが、
臨床家ではない人の理論ですので、私は完全に無視しています。(笑)
写真は、説明用に撮影したもので、肺経の少商の反対側での刺絡です。
切皮のコツは、スピードです。
写真ではディスポノ5番鍼を使っていますが、ディスポ鍼(使い捨て鍼)はちょっと痛いので、臨床では「全く痛みがない」と言ってもいいほどの道具を使っています。
切皮をしたら、指を軽く圧迫すれば、井穴からの点状瀉血ができます
さらに指先から絞るようにして瀉血を行います
はい、これで肩の奥にあった痛みはとれました。
もう1人、「二週間ほど前から、足の小指が痛い」という人がいましたので、
軸方向に圧迫し、上下左右に動かして骨折の有無を確認したのですが、骨折
ではないようでしたので、どうすると痛いのかを聞いてみた。
「外側から押すと痛む」というので、よく観ると、軽い炎症が起こっている
ようで、経絡でいうと「膀胱経」でしたので、
「下腹は痛くないですか?」と質問したのですが、ニコッと笑うだけで、
返事はありませんでした。(笑)
膀胱からの炎症と診断したので、至陰から点状瀉血をした。
「不思議やなー、治ったみたい、痛くないです」と何度も患部を押していた。
しかし、当方は
週に三日 しか営業してないので、常に念には念を押して、
再発させないような治療をしているので、その方にも、許可をもらってから、
膀胱経の募穴である中極に7壮お灸をしておいた。(笑)
これで、この方はしばらく来なくてもいい。(笑)