8月17日、原油相場がバレル2.83ドル下げ、63.25ドルへ、
ハイテク株の指標銘柄であるH_P(ヒューレット・パッカード)株が
14%大幅上げに引きずられ、NYダウは、前日の120ポイト下げの
1/3戻しの37ポイント上げて取引を終了した。
ガソリン価格急騰を嫌気して前日NY大幅下げを先導した
ウオルマート株は、前日比小幅安で終わっているから、
ひとりH_P株大幅反発を頼りに気休めに買いをいれたの
かもしれない。
原油相場に振りまわされて、上げたり下げたりのNYダウであるが、
原油相場の先行きについては、投資家の間でも先週金曜日つけた
バレル67.10ドルで相場は終わったとの見方はいまのところ
少ないようだ。
この日のNYダウが120下げて37戻す程度にとどまったのも
今年50%一気に上げたあと調整は当然入る。しかし、このまま
ずるずると原油相場が値下がりすると、投資家は本気で
考えていない証拠であろう。
原油相場は、ナイジエリア、ベエズエラ、イラク、サウジアラビアでの
供給不安、ハリケーン被害懸念を材料に、今年にはいり、50%値上りした。
最近ではエクアドルでの賃上げストライキでパイプラインが閉鎖された
ことや、ナイジエリアの地域住民がロイヤルダッチシエルの生産を
妨害していると買い材料に流しているようだ。
OPECは、8月16日、2006年の世界原油需要は、景気が世界に
改善傾向にあるとして、当初見通しを小幅上方修正し、日量
160万バレル、1.9%増、8,520万バレルと発表した。
世界景気が多少とも回復すれば、米国はじめ中国、インドの
旺盛な原油需要は伸び率が落ちても、絶対需要は拡大を続けるとの
見通しなのであろう。
一方供給サイドでは、OPECの余剰生産能力は日量150万バレル以下で、
当面増産余地に限りがある、サウジについで世界第2の産油国ロシアの
原油生産に余力が乏しいとの見方が石油専門家に依然として多く見られる。
ロシアに限らず、産油国は、原油相場が急激かつ大幅値上りは
需要を冷やすから困るが、値段が上がることで国家財政の命綱が
確保されるから歓迎しないはずはないであろう。
産油国の原油相場引き上げの背景のひとつにドルの目減りがあった
ことは明かだ。
ドルはいまのところ1ドル=110円、1ユーロ=1.22ドル前後で
安定しているからいいが、いつまた値下がりするか信頼できない。
産油国が米国債を買いつづけドル相場を支えている側面も
十分考えられる。
OPECは現在日量3,000万バレル生産していると言われるが、
原油が1バレル10ドル上がれば、年間1,000億ドル増える計算が出来る。
OPECは今年5月時点で米国債を165億ドル増やし約620億ドル
保有しているといわれている。
産油国は原油高騰でドルを稼ぐ。稼いだドルは自国の経済再建に
振り向ける。それでも収まらなくて米国債権を買いまくるという構図であろう。
米国債買いで国債利回りが低位に安定する。
国債利回りが低位に安定すると米住宅ローン金利も
安泰だろう。住宅バブルを懸念する声は次第に高まっているが、
米国経済を今支えているのは住宅ブームであろう。
口先では原油高騰を警戒するとはいうものの、
米国も腹の底では原油高をほくそえんでいるのでは
なかろうか。
原油下げ、H_P株上げ、NYダウ小幅戻す。
お金はお足とはよくいったものだ。
行き過ぎは要警戒だが、オイルマネーが地球を
かけまわりながら世界景気を潤しているのかもしれない
と思うと原油高を一概には責められない。(了)
ハイテク株の指標銘柄であるH_P(ヒューレット・パッカード)株が
14%大幅上げに引きずられ、NYダウは、前日の120ポイト下げの
1/3戻しの37ポイント上げて取引を終了した。
ガソリン価格急騰を嫌気して前日NY大幅下げを先導した
ウオルマート株は、前日比小幅安で終わっているから、
ひとりH_P株大幅反発を頼りに気休めに買いをいれたの
かもしれない。
原油相場に振りまわされて、上げたり下げたりのNYダウであるが、
原油相場の先行きについては、投資家の間でも先週金曜日つけた
バレル67.10ドルで相場は終わったとの見方はいまのところ
少ないようだ。
この日のNYダウが120下げて37戻す程度にとどまったのも
今年50%一気に上げたあと調整は当然入る。しかし、このまま
ずるずると原油相場が値下がりすると、投資家は本気で
考えていない証拠であろう。
原油相場は、ナイジエリア、ベエズエラ、イラク、サウジアラビアでの
供給不安、ハリケーン被害懸念を材料に、今年にはいり、50%値上りした。
最近ではエクアドルでの賃上げストライキでパイプラインが閉鎖された
ことや、ナイジエリアの地域住民がロイヤルダッチシエルの生産を
妨害していると買い材料に流しているようだ。
OPECは、8月16日、2006年の世界原油需要は、景気が世界に
改善傾向にあるとして、当初見通しを小幅上方修正し、日量
160万バレル、1.9%増、8,520万バレルと発表した。
世界景気が多少とも回復すれば、米国はじめ中国、インドの
旺盛な原油需要は伸び率が落ちても、絶対需要は拡大を続けるとの
見通しなのであろう。
一方供給サイドでは、OPECの余剰生産能力は日量150万バレル以下で、
当面増産余地に限りがある、サウジについで世界第2の産油国ロシアの
原油生産に余力が乏しいとの見方が石油専門家に依然として多く見られる。
ロシアに限らず、産油国は、原油相場が急激かつ大幅値上りは
需要を冷やすから困るが、値段が上がることで国家財政の命綱が
確保されるから歓迎しないはずはないであろう。
産油国の原油相場引き上げの背景のひとつにドルの目減りがあった
ことは明かだ。
ドルはいまのところ1ドル=110円、1ユーロ=1.22ドル前後で
安定しているからいいが、いつまた値下がりするか信頼できない。
産油国が米国債を買いつづけドル相場を支えている側面も
十分考えられる。
OPECは現在日量3,000万バレル生産していると言われるが、
原油が1バレル10ドル上がれば、年間1,000億ドル増える計算が出来る。
OPECは今年5月時点で米国債を165億ドル増やし約620億ドル
保有しているといわれている。
産油国は原油高騰でドルを稼ぐ。稼いだドルは自国の経済再建に
振り向ける。それでも収まらなくて米国債権を買いまくるという構図であろう。
米国債買いで国債利回りが低位に安定する。
国債利回りが低位に安定すると米住宅ローン金利も
安泰だろう。住宅バブルを懸念する声は次第に高まっているが、
米国経済を今支えているのは住宅ブームであろう。
口先では原油高騰を警戒するとはいうものの、
米国も腹の底では原油高をほくそえんでいるのでは
なかろうか。
原油下げ、H_P株上げ、NYダウ小幅戻す。
お金はお足とはよくいったものだ。
行き過ぎは要警戒だが、オイルマネーが地球を
かけまわりながら世界景気を潤しているのかもしれない
と思うと原油高を一概には責められない。(了)