上海株価指数が先週末2.7%下げ、週明けさらに8.3%下げたあとも、今朝のNY株式市場は底堅く、NYダウは小幅ながら前日比8ドル高、13,676ドルで取引を終了した。
日本との文化の違いと言うか、欧米流の割り切りのよさと言うか、今回の中国株の値下がりは、中国経済のファンダメンタルズが原因ではなく、印紙税引き上げなど株取引の沈静化を目的としており、一次的な調整で終わるとマーケットは判断したのだろうか。
一方、欧米メディアは、ロシアのプーチン大統領が、米国が現在進めているミサイル防衛(MD)計画を撤回しない限り、欧州を標的にすると発言したと大きく取り上げている。ブッシュ米大統領は、ドイツで今週末開かれる予定のG8サミットを前にして、欧州訪問中であるが、MD問題がテーマの中心であると紹介している。
今朝のWSJ紙によれば、NY原油(WTI:軽質油)先物相場が、ロシアと西側との間に生まれつつある新たな緊張関係を材料に、前日比バレル1.13ドル高、66.21ドルで取引された。重質油原油の指数であるドバイ原油も再びバレル70ドル台へ値上がりした。
米紙USA Todayによれば、ロシアとの関係悪化と原油・天然ガス共にロシアにエネルギー元を依存している欧州各国が、1986年のロシアのチエルノブイル原子力発電所事故をまるで忘れた如く、原子力発電に向けて足並みを揃えて動き出したと紹介している。
同紙によれば、英国は、2023年までに廃棄を決めていた18基の原発の一部を見直すと発表した。フィンランドは2010年に原発を新設する。スエーデン、イタリア、オランダは凍結していた原発再開論議をはじめた。
スイスは新規の原発建設の一時停止宣言を撤回した。ポーランドはリトワニアに原発を新設し、ラトビア、エストニアへ電力を供給する。イタリアは、電力の78%を原発に依存しているフランスから電力購入を決めた。温室効果ガス問題に具体的対案を出せない中国は、23基の原発新設計画を既に発表している。
G8サミットでは、レームダック(びっこのアヒル)のブッシュ米大統領と原油高騰の恩恵を受けて、大統領任期延長まで画策していると伝えられる、意気軒昂のプーチン・ロシア大統領との確執が浮き彫りになれば、特に原油相場で、投機家の格好の餌食に利用されよう。
原子力発電が、特に欧州で「きれいなエネルギー」として復活を始めた。原子力の怖さを体験した世界で唯一の被爆国、日本はG8サミットでどんなポーズをとるのだろうか。(了)
江嵜企画代表・Ken
日本との文化の違いと言うか、欧米流の割り切りのよさと言うか、今回の中国株の値下がりは、中国経済のファンダメンタルズが原因ではなく、印紙税引き上げなど株取引の沈静化を目的としており、一次的な調整で終わるとマーケットは判断したのだろうか。
一方、欧米メディアは、ロシアのプーチン大統領が、米国が現在進めているミサイル防衛(MD)計画を撤回しない限り、欧州を標的にすると発言したと大きく取り上げている。ブッシュ米大統領は、ドイツで今週末開かれる予定のG8サミットを前にして、欧州訪問中であるが、MD問題がテーマの中心であると紹介している。
今朝のWSJ紙によれば、NY原油(WTI:軽質油)先物相場が、ロシアと西側との間に生まれつつある新たな緊張関係を材料に、前日比バレル1.13ドル高、66.21ドルで取引された。重質油原油の指数であるドバイ原油も再びバレル70ドル台へ値上がりした。
米紙USA Todayによれば、ロシアとの関係悪化と原油・天然ガス共にロシアにエネルギー元を依存している欧州各国が、1986年のロシアのチエルノブイル原子力発電所事故をまるで忘れた如く、原子力発電に向けて足並みを揃えて動き出したと紹介している。
同紙によれば、英国は、2023年までに廃棄を決めていた18基の原発の一部を見直すと発表した。フィンランドは2010年に原発を新設する。スエーデン、イタリア、オランダは凍結していた原発再開論議をはじめた。
スイスは新規の原発建設の一時停止宣言を撤回した。ポーランドはリトワニアに原発を新設し、ラトビア、エストニアへ電力を供給する。イタリアは、電力の78%を原発に依存しているフランスから電力購入を決めた。温室効果ガス問題に具体的対案を出せない中国は、23基の原発新設計画を既に発表している。
G8サミットでは、レームダック(びっこのアヒル)のブッシュ米大統領と原油高騰の恩恵を受けて、大統領任期延長まで画策していると伝えられる、意気軒昂のプーチン・ロシア大統領との確執が浮き彫りになれば、特に原油相場で、投機家の格好の餌食に利用されよう。
原子力発電が、特に欧州で「きれいなエネルギー」として復活を始めた。原子力の怖さを体験した世界で唯一の被爆国、日本はG8サミットでどんなポーズをとるのだろうか。(了)
江嵜企画代表・Ken