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米連銀地区報告ベイジュブック受けて、NYダウ187ドル高ー学校で教えてくれない経済学

2007-06-14 09:00:31 | 経済学
米国12地区連銀の経済報告書の表紙の色がベージュ色をしていることから、Beige Bookと呼ばれる。そのベージュブックが、6月13日のNY株式市場を一気に活気付け、NYダウは、前日比187ドル〈1.41%〉高、13,482ドルまで押し上げた。ハイテク株指数のナスダック32ポイント〈1.28%〉、S&P500種平均株価は22ポイント〈1.52%〉それぞれ値上がりした。

米10年物国債の利回りは、はじめ5.33%まで上昇していた。それがベイジュブックの発表を境に下げ始め、5.20%まで急低下したことが、投資家に買い安心感を与えたようだ。今朝のWSJ紙を読むと、相場は人の心の鏡であることを改めて分かり易く教えてくれる。

この日、米商務省は、米国の今年5月の小売高が、1.4%増加したと発表した。大方のエコノミストは0.7%増を予測していた。予測がいいほうにはずれたことも投資家にとって買い材料になった。2007年1~3月期のGDPが冴えなかった上に、長期金利のこのところの急上昇で投資家はうんざりしていた。そこへ小売堅調の朗報が飛び込んできた。

ベイジュブックに戻る。米国経済は、不動産及び住宅分野は苦戦が続いているが、4月後半から5月も個人消費、小売ともに穏やかながら増加している。複数の地区でぜいたく品が一般商品より良く売れているという記述もある。

ただ、クリーブランド、アトランタ、カンサスシティ、ダラスでは小売は期待はずれであるが、サンフランシスコ、シカゴでは個人消費が増加した。地区によってまだら模様であるが、米国全体としては、穏やかながらも景気は順調に回復している。

原油価格の上昇は、クリーブランド、リッチモンド、ダラス、サンフランシスコでは個人消費に影響が出ている。自動車のネット販売には変化はでていないが、夏場のドライブシーズンに販売が増えるかについてはディーラーの間で見方が分かれている。

金利に影響を与える物価動向については、エネルギーコストは上がっている。一部に食料品物価が上昇しているが、全体としては、物価上昇の圧力は高まっていない。一方、新築住宅の増加の報告はないが、賃貸住宅は増加しており、空室率は低下している。

次回の米FOMC(連邦公開市場委員会)は、6月27,28日に開催される。ベイジュブックを読む限り、米国の金融政策には変更はないと読んだ結果がNYダウの大幅高であろう。

日本では10年物の国債の利回りが1.985%まで上げたと騒いでいる。米国は昨日下げても5.20%である。NY円は1ドル=122.50円へ下げた。利回りの低い通貨は売られる。(了)

江嵜企画代表・Ken



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