ドル安の地合いが続いている。リスクのあるお金からリスクの少ないお金への移動がドル安を進めている。お金は臆病な生き物である。ドルから金への移動も安全志向の表れである。相場はひとの心の鏡である。ドル安を嫌気して、NYダウは、終値では、前日比33ドル安まで定戻したが、一時360ドル以上値下がりした。
NY外国為替市場で、11月8日、引き続きドルが対ユーロで売られ、過去最安値の
1ユーロ=1.4731に近い、1ユーロ=1.4705ドル前後で取引された。ドルは、対円でも売られ、1ドル=112.70円前後で取引された。ドルは、対英ポンドで、一時、1英ポンド=2.11ドルと26年ぶりの安値で取引きされた。
この日、ドル安を進めた背景の一つに、米FRB議長、ベン・バーナンキ氏の、米上下両院合同経済委員会で、ドルのこのところの値下がりは、米国景気の動向を反映しているとの発言である、と今朝のWSJ紙は解説している。
為替レートは、ひとの身体で言えば、血圧のようなものである。脈を取らない医者にはわかりにくい世界であろうが、名医によれば、からだの変調は、脈を取ることによって、かなりの程度に分るらしい。
ドクター・バーナンキが、何を喋るか、当の病人だけでなく、大勢の家族が、議会に集まって、耳をダンボにして聞いていたら、米国景気は、目先の10~12月期は鈍化し、さらにその傾向は、2008年へも続くと発言したものだから、益々、ドル売りに拍車がかかったのであろう。
バーナンキさんの大學の卒業論文は、1929年のウオール街の暴落である。大學の卒論に何を書こうが、現在責任ある立場にある人には、関係ないかもしれないが、彼が、常日頃から、金利に敏感であることは、つとに知られている。
利下げをすれば、ドル安が進む。ドル安が進めば、輸入インフレが進む。インフレが進めば、ドルが目減りする。当然、インフレが進む。彼が、悪の循環を一番怖れている一人であることは、十分推察できる。当の本人が、0.5%、0.25%と相次ぐ利下げに踏み切った意味は極めて大きい。それだけ目前の金融情勢(病状)は深刻と、診断しているのであろう。
一方、NY原油先物相場は、バレル98ドル前後で足踏みしている。100ドルは、越すに越されぬ大井川の心境かもしれない。世界の原油埋蔵量は1.7兆バレルあり、供給不足に踊らされてはならないとの見方もある。景気が鈍化すれば食欲も当然、落ちる。健康にとって食べ過ぎが一番いけない。過ぎたれば、なお及ばざるが如し。論語の中の言葉である。(了)
NY外国為替市場で、11月8日、引き続きドルが対ユーロで売られ、過去最安値の
1ユーロ=1.4731に近い、1ユーロ=1.4705ドル前後で取引された。ドルは、対円でも売られ、1ドル=112.70円前後で取引された。ドルは、対英ポンドで、一時、1英ポンド=2.11ドルと26年ぶりの安値で取引きされた。
この日、ドル安を進めた背景の一つに、米FRB議長、ベン・バーナンキ氏の、米上下両院合同経済委員会で、ドルのこのところの値下がりは、米国景気の動向を反映しているとの発言である、と今朝のWSJ紙は解説している。
為替レートは、ひとの身体で言えば、血圧のようなものである。脈を取らない医者にはわかりにくい世界であろうが、名医によれば、からだの変調は、脈を取ることによって、かなりの程度に分るらしい。
ドクター・バーナンキが、何を喋るか、当の病人だけでなく、大勢の家族が、議会に集まって、耳をダンボにして聞いていたら、米国景気は、目先の10~12月期は鈍化し、さらにその傾向は、2008年へも続くと発言したものだから、益々、ドル売りに拍車がかかったのであろう。
バーナンキさんの大學の卒業論文は、1929年のウオール街の暴落である。大學の卒論に何を書こうが、現在責任ある立場にある人には、関係ないかもしれないが、彼が、常日頃から、金利に敏感であることは、つとに知られている。
利下げをすれば、ドル安が進む。ドル安が進めば、輸入インフレが進む。インフレが進めば、ドルが目減りする。当然、インフレが進む。彼が、悪の循環を一番怖れている一人であることは、十分推察できる。当の本人が、0.5%、0.25%と相次ぐ利下げに踏み切った意味は極めて大きい。それだけ目前の金融情勢(病状)は深刻と、診断しているのであろう。
一方、NY原油先物相場は、バレル98ドル前後で足踏みしている。100ドルは、越すに越されぬ大井川の心境かもしれない。世界の原油埋蔵量は1.7兆バレルあり、供給不足に踊らされてはならないとの見方もある。景気が鈍化すれば食欲も当然、落ちる。健康にとって食べ過ぎが一番いけない。過ぎたれば、なお及ばざるが如し。論語の中の言葉である。(了)