中身の分らない食べ物には動物は手を出さない。中身のよくわからない金融商品は、どうしても敬遠される。現在、米国で起こっている、サブプライムローン問題は、投資家の不安心理から生まれており、人々の不安が解消されない限り、問題解決には時間がかかりそうだ。
米大手金融のMerrill Lynchトップ辞任に続いて、世界最大の金融機関であるCitigroupの最高経営責任者(CEO)が辞任を発表した。米シティが2007年7~9月期に追加損失80~110億ドル〈約2兆円〉を出した責任を取ったためとされている。当社会長に、米財務長官だった、Robert Rubinを担ぎ出して、当面の危機突破をねらっているようだ。
ところが投資家は、まだまだこの先、お化けが出てくると思っている。投資家の気持ちを株価は正直に表した。11月5日、週明けのNY株式市場では、米シティ7.18%下げを筆頭に、メリルリンチ4.14%,ベアスターンズ証券2.53%,クレジットスイス2.51%,米国バークレイ4.08%と、株価はことごとく大幅値下がりした。NYダウ30種平均は、51ドル下げ13,543ドルで取引を終了した。
一方、NY外国為替市場では、米FRBの金融政策が、いまひとつ不透明なことから、見送り気分が強く、方向感ないままに、1ユーロ=1.4462ドル、1ドル=114.47円と、まちまちの動きと今朝のWSJ紙は報じている。ただ、ゲームの流れは、ドル安の方向であろう。
NY原油先物市場では、バレル94ドルをはさんでの小動きに推移した。ただ、このところの傾向を見ると、利下げの方向では原油が上がり、利上げの方向では、原油相場は下押すパターンが定着している。先のサブプライムローン問題が本復を見ない限り、金利は下げる流れだから、原油相場は、バレル100ドルまでは、値上がりするとの見方が多い。
利下げと見れば原油相場が上がるのは、ドル相場が、金利の動きに、連動しているためである。利下げにより利回りがその分落ちれば、ドルへの資金の流れが、原油相場へ向かう。ドルの目減りが、金相場に反映しているのも似た動きである。11月5日、NY金先物市場では、28年ぶりの高値のトロイオンス810.8ドルで取引された。原油で血を十分吸った蚊は、暫時休憩後、金が800ドルでもなお割安と見れば、鉾先を金相場に向けてくるだろう。
問題が起こるたびに、エコノミストやアナリストや、その道の専門家と称するひとが、出たり入ったりで解説している。人間も所詮、動物であり、鳥や動物の行動パターンと突き詰めれば同じだから、回りくどい説明は不要だと常々思う次第である。
身体の調子は、当の人間が一番承知している。医者が首を傾げるケースが多い。問題が起こってから騒ぐ日本人の体質からいえば、他人任せにしないことが最高の療法だろう。(了)
米大手金融のMerrill Lynchトップ辞任に続いて、世界最大の金融機関であるCitigroupの最高経営責任者(CEO)が辞任を発表した。米シティが2007年7~9月期に追加損失80~110億ドル〈約2兆円〉を出した責任を取ったためとされている。当社会長に、米財務長官だった、Robert Rubinを担ぎ出して、当面の危機突破をねらっているようだ。
ところが投資家は、まだまだこの先、お化けが出てくると思っている。投資家の気持ちを株価は正直に表した。11月5日、週明けのNY株式市場では、米シティ7.18%下げを筆頭に、メリルリンチ4.14%,ベアスターンズ証券2.53%,クレジットスイス2.51%,米国バークレイ4.08%と、株価はことごとく大幅値下がりした。NYダウ30種平均は、51ドル下げ13,543ドルで取引を終了した。
一方、NY外国為替市場では、米FRBの金融政策が、いまひとつ不透明なことから、見送り気分が強く、方向感ないままに、1ユーロ=1.4462ドル、1ドル=114.47円と、まちまちの動きと今朝のWSJ紙は報じている。ただ、ゲームの流れは、ドル安の方向であろう。
NY原油先物市場では、バレル94ドルをはさんでの小動きに推移した。ただ、このところの傾向を見ると、利下げの方向では原油が上がり、利上げの方向では、原油相場は下押すパターンが定着している。先のサブプライムローン問題が本復を見ない限り、金利は下げる流れだから、原油相場は、バレル100ドルまでは、値上がりするとの見方が多い。
利下げと見れば原油相場が上がるのは、ドル相場が、金利の動きに、連動しているためである。利下げにより利回りがその分落ちれば、ドルへの資金の流れが、原油相場へ向かう。ドルの目減りが、金相場に反映しているのも似た動きである。11月5日、NY金先物市場では、28年ぶりの高値のトロイオンス810.8ドルで取引された。原油で血を十分吸った蚊は、暫時休憩後、金が800ドルでもなお割安と見れば、鉾先を金相場に向けてくるだろう。
問題が起こるたびに、エコノミストやアナリストや、その道の専門家と称するひとが、出たり入ったりで解説している。人間も所詮、動物であり、鳥や動物の行動パターンと突き詰めれば同じだから、回りくどい説明は不要だと常々思う次第である。
身体の調子は、当の人間が一番承知している。医者が首を傾げるケースが多い。問題が起こってから騒ぐ日本人の体質からいえば、他人任せにしないことが最高の療法だろう。(了)