日本画家、森田りえ子さん宅に、先日、電話する機会があった。電話口に出られた母上から、「今、仕事で、ドバイに出かけておりますのよ」、との答えが返ってきた。
先のG7の会合で、初めて、政府系ファンド(SWF)が、共同声明の中で取り上げられ、SWFの存在が改めて注目された。1兆ドル(114兆円)基金を持ち、政府系ファンドトップに座る国、アラブ首長国連邦(UEE)の本拠地がドバイである。ドバイには、7つ星の高級ホテルが立ち並び、人工衛星からもドバイの人工島がよく見えるのだそうだ。
ヤフーインターネットで検索したところ、1966年に、ドバイで石油が発見された。その後イギリス軍が撤退、1971年にアラブ首長国連邦が結成された。1971年といえば、第一次オイルショックの直前であり、原油相場は、バレル2ドル台だった。
11月6日、NY原油先物市場で、軽質油WTI相場が、一時、バレル97ドルを突破した。その後利益確定の売りが出て、バレル2.72ドル、2.9%高い、96.70ドルで取引を終了した。重質油のドバイ原油相場も値上がりし、バレル93.16ドルで取引を終えた。
原油のコストは,控え目に見積もっても、バレル7~8ドルというから、100ドル原油が目の前に迫ってくると、UAEに限らず、産油国全てが、こんなに儲けていいものかと、むしろ不安のほうが先に立つのではないかと、つまらぬ心配をしたくなるほどの最近の急騰振りである。
今朝のWSJ紙によれば、この日の原油急騰の引き金は、北海油田で一部操業がストップしたとのニュースと北イエーメンで、日量155,000バレルの石油パイプラインが爆破され、冬場を控えて、欧米では原油供給の先行きに敏感にならざるを得ない。さらに、米エネルギー情報局(EIA)が、2007年末、世界の主要先進国の原油在庫が、昨年対比4.8%減少するとの予測を発表したことで、世界的に、原油供給不安が一挙に高まったと解説している。
原油値上がりのときのお決まりのセリフは、ドルの目減りである。11月6日、NY外国為替市場で、ドルが、対ユーロで売られ、1ユーロ=1.4571ドルで取引された。ドルが安くなれば、原油はドル建てだから、ドル以外の通貨ではその分、石油が買い易くなる計算だ。原油が上がると、既定路線とばかり、NY金先物市場で金が買われ、トロイオンス12.6ドル上げ、823.34ドルで取引を終了した。
石油の値段が上がり、先進国から世界のお金が、産油国、資源国など、開発途上国へ還流する構図が定着してきた。閉塞された社会で落ち込むばかりが能ではない。今、日本人に求められる指針は、ドバイの繁栄を自ら取り込もうとする積極的な姿勢ではなかろうか。(了)
先のG7の会合で、初めて、政府系ファンド(SWF)が、共同声明の中で取り上げられ、SWFの存在が改めて注目された。1兆ドル(114兆円)基金を持ち、政府系ファンドトップに座る国、アラブ首長国連邦(UEE)の本拠地がドバイである。ドバイには、7つ星の高級ホテルが立ち並び、人工衛星からもドバイの人工島がよく見えるのだそうだ。
ヤフーインターネットで検索したところ、1966年に、ドバイで石油が発見された。その後イギリス軍が撤退、1971年にアラブ首長国連邦が結成された。1971年といえば、第一次オイルショックの直前であり、原油相場は、バレル2ドル台だった。
11月6日、NY原油先物市場で、軽質油WTI相場が、一時、バレル97ドルを突破した。その後利益確定の売りが出て、バレル2.72ドル、2.9%高い、96.70ドルで取引を終了した。重質油のドバイ原油相場も値上がりし、バレル93.16ドルで取引を終えた。
原油のコストは,控え目に見積もっても、バレル7~8ドルというから、100ドル原油が目の前に迫ってくると、UAEに限らず、産油国全てが、こんなに儲けていいものかと、むしろ不安のほうが先に立つのではないかと、つまらぬ心配をしたくなるほどの最近の急騰振りである。
今朝のWSJ紙によれば、この日の原油急騰の引き金は、北海油田で一部操業がストップしたとのニュースと北イエーメンで、日量155,000バレルの石油パイプラインが爆破され、冬場を控えて、欧米では原油供給の先行きに敏感にならざるを得ない。さらに、米エネルギー情報局(EIA)が、2007年末、世界の主要先進国の原油在庫が、昨年対比4.8%減少するとの予測を発表したことで、世界的に、原油供給不安が一挙に高まったと解説している。
原油値上がりのときのお決まりのセリフは、ドルの目減りである。11月6日、NY外国為替市場で、ドルが、対ユーロで売られ、1ユーロ=1.4571ドルで取引された。ドルが安くなれば、原油はドル建てだから、ドル以外の通貨ではその分、石油が買い易くなる計算だ。原油が上がると、既定路線とばかり、NY金先物市場で金が買われ、トロイオンス12.6ドル上げ、823.34ドルで取引を終了した。
石油の値段が上がり、先進国から世界のお金が、産油国、資源国など、開発途上国へ還流する構図が定着してきた。閉塞された社会で落ち込むばかりが能ではない。今、日本人に求められる指針は、ドバイの繁栄を自ら取り込もうとする積極的な姿勢ではなかろうか。(了)