長寿社会と生活習慣病講演会風景
江嵜企画代表・Ken
「長寿社会と生活習慣病」と題して、加藤順一先生(兵庫県立リハビリテ―ション西播磨病院、副院長】の講演会が、神戸国際大学ホールで、6月23日午後1時半から開かれ、どんな話が聞けるかと、楽しみにして出かけた。ざっと200~300人は入ると思われる階段教室は、ほぼ満席で、関心の深さを裏付けた。会場の様子をいつものようにスケッチした。
お年をめした方が多いのはテーマからして当然であるが、この日は、ご婦人の姿が目立った。講演最後には、加藤先生がかつてお仕事のお手伝いをしておられた特別養護老人ホーム「万寿の家」入所者の素晴らしい笑顔が正面パネルに写された。写真に写った方のほとんどの方はなくなられた。人は全てなくなりますからという言葉が印象に残った。講演のあと、一人暮らしをしていると、最前列で聞いていた出席者の一人のさる老人が「心筋梗塞で急に胸が痛くなったらどうしたらいいですか」と、切りだした。「心筋梗塞ですね。全て痛くはなりません。ただ、すぐに連絡出来る手はずだけはしておいてください」と加藤先生は答えた。
一時間たっぷりの講演会の中身全てはとても書ききれない。ただ、歩きなさい、動きなさい、と何度も聞かされた。「街の中は無料のジムです」という言葉が印象に残った。帰路傑作だったのは、最寄駅、六甲アイランド駅で、階段を使う人はまばら、エレベーターに全て乗る。エスカレーターを使う。講演会で、「体をとにかく動かしなさい、それが生活習慣病の最適の予防だ」と、聞いていても、いざとなると、人間、身についていないものだから、ついつい無精するのだなと、見ていておかしかった。
「昼間は横にならないように」という言葉もおもしろかった。一日でもお迎えを早くしてもらいたければ、家でごろごろするに限るのであろう。「安静第一、無理は禁物と思いこまないで、病気ならどの程度動いていいか、お医者さんにそうだんされたらいいという言葉も印象に残った。歩きにくくなっても、すぐに車いすに頼らない。杖をついてでも、伝い歩きなど工夫をしようというアドバイスは、加藤先生の現場感覚から出た貴重なメッセージだと拝聴した。
スケッチのタイトルに書いた「一無(いちむ)」とは、「無煙・禁煙」、タバコは、本人はもちろん周りの人の健康を害します。「二少(にしょう)」とは、「少食・少酒」、食事は腹八分目、アルコールはほどほどに。「三多(さんた)」とは、「多働・多休・多接」、軽い運動による体をうごかす習慣を規則正しい生活で、心と体の休養を、多くの人・事・物に触れ、生き生きとした生活を送りましようと、加藤先生は話しを終えられた。何回も拍手が会場から起こった。
今回の講演会は神戸国際大学、学術研究会主宰である。自宅マンションからモノレールに乗れば30分足らずで現場に着く。催しがあるたびにご案内いただき感謝している。次はどんなお話しが聞けるか楽しみでならない。(了)