
堀江珠喜さん大いに語る
江嵜企画代表・Ken
堀江珠喜さん、大阪府立大学教授から「難波で講演をすることになった。お忙しいこととは存じますが、おめもじ叶いましたら幸いです」とお便りいただき、楽しみにして出かけた。
会場、大阪府立大学I-siteなんば(南海なんば第1ビル2階)の様子をいつものようにスケッチした。堀江さんはフアッションの世界にもご造詣深く、この日はバラの花をあしらったドレスに黒のスーツ、まっ赤なショ―ルを首にかけ1時間半時間ぴたり一気に喋り抜けた。
テーマは「ミステリー小説の美女いろいろー比較文学的に考えるー」。スキャンダルや事件に関わった若い女性が「美女(美人)として報道、あるいは物語られることが多い。それが客寄せ文句と分かっていても「美女」という言葉は、大衆受けする「記号」なのだ。「首なし「美女」の遺体発見」という記事が、正々堂々と、新聞紙上に登場したこともあると紹介して、会場の笑いを誘った。
ミステリー(推理)小説でもそれは同じである。被害者、加害者、探偵役のいずれかにかならず「美女?」が起用される。映画やテレビドラマなど視覚に訴える機会が増えたことから特に増えた。
「幻夜」(東野圭吾著)、「仮面史」(横溝正史著)、「女王蜂」(横溝正史著)のミステリー小説には、必ず「美人」が登場すると話したあと、典型的な例がこれだ、と「毒婦」ー木嶋佳苗100日裁判傍聴記ー(北原みのり著)の一節を以下紹介した。
「2009年秋、インターネットで知り合った男たちから1億円以上のお金をうけとり、彼女の回りで男性の不審死が続いた。もし彼女が美人であれば問われなかったようなことが、まるで大きな問題であるかのように報道された。」と。
堀江珠喜さんは、1954年生れ、鉛筆ならず艶筆をふるってなお益々盛んである。大阪府立大学教授であることを、むしろ楽しんでいる風情だ。(了)