患者を和英辞書で引くと①patient、②(医者の立場から)a caseと出て来る。「医者の立場から」見れば,少し寂しいが、a caseなのかもしれない。patientを英和辞書で引くと①(病院の)患者、②忍耐強い、辛抱するなどと出ていた。健康を失ってみて初めて健康のありがたさを痛感する。patientを意味する「患者」の頭に、なぜ、「病院の」という注釈がついているのだろうか。hospitalを引くと「病院」と出てくる。hospitalの一行下にhospitalityが出てくる。おもてなしを意味する言葉である。
そのせいなのかどうかしらないが、最近病院通いしていて「患者様」、「患者様」という言葉が病院の廊下、病室にやたら目につく。病院食も大幅に改善された。ただ、「患者様」「患者さん」などと連呼されると、特に昔人間の筆者などは正直、気持ちが悪くなる。患者の立場からすれば、痛みとか痒みを一日も早く取ってもらい、病気から一刻も早く解放してもらいたい、ただ、それだけである。今回蕁麻疹の洗礼を嫌と言うほど受けた。痒みによって、痛みに勝るとも劣らぬ、体力を著しく消耗させられることを体験した。
一方、病人を同じく和英辞書で調べるとa shick personと出ていた。Sickを引くと①病気の、②吐き気がするなどと出ていた。「吐き気をする」を辞書で引くとfeel sickと出ていた。sickのもともとの意味は「吐き気がする」ことを意味する。古代英語のseocに由来すると出ていた。食あたりした時など、吐き気がするとどう英語で表すか、俄かに頭に浮かばないが、sickが、ズバリ正解だ。余談ながら発音は同じだがシックなお洋服をお召しですねの表現はchicと書く。うっかりsickなどと書くととんでもないことになるから外国語は怖い。
話は飛ぶ。先般、米FRB議長のパウエル議長が金融政策にpatientを特に「言葉選び」して使った。その米FRBが7月のFOMC会合で0.25% 政策金利を下げ、一転して利下げに舵を切った。瞬間的には、市場は利下げを歓迎してNY株式市場は急騰した。しかし、その後、米中貿易戦争激化、世界経済減速、世界同時株安と不安定な状況が長期間継続するとの見方が日増しに増えてきている。トランプ米大統領は9月開催のFOMC会合をにらんで1.0%の利下げをせよとパウエルFRB議長に圧力をかけた。先週、米ジャクソンホールで開かれた中央銀行総裁会議でパウエル議長は「政治的圧力に影響を受けない」と応じた。
28日、元NY連銀、ダドリー総裁は「予防的な利下げを思いとどまるよう」公開書簡を出した。異例の事態だと受け取られている。今回のダドリー氏の警告は2020年の米大統領選挙を一年余り後に控えて一層注目される。NY債券上昇、利回りが低下した。NY外国為替市場ではドルが下がりたがっている。パウエルFRB議長は先のジャクソンホールでの講演でも金融政策に限界があることを認めた。妙薬は口に苦しというが、媚薬、利下げは一時の苦痛を癒すことが出来ても必ず深刻な副作用をもたらすリスク覚悟が求められる。副作用のない薬はない。身体の中から発する真の声を聴くpatient(辛抱)が求められる。(了)
そのせいなのかどうかしらないが、最近病院通いしていて「患者様」、「患者様」という言葉が病院の廊下、病室にやたら目につく。病院食も大幅に改善された。ただ、「患者様」「患者さん」などと連呼されると、特に昔人間の筆者などは正直、気持ちが悪くなる。患者の立場からすれば、痛みとか痒みを一日も早く取ってもらい、病気から一刻も早く解放してもらいたい、ただ、それだけである。今回蕁麻疹の洗礼を嫌と言うほど受けた。痒みによって、痛みに勝るとも劣らぬ、体力を著しく消耗させられることを体験した。
一方、病人を同じく和英辞書で調べるとa shick personと出ていた。Sickを引くと①病気の、②吐き気がするなどと出ていた。「吐き気をする」を辞書で引くとfeel sickと出ていた。sickのもともとの意味は「吐き気がする」ことを意味する。古代英語のseocに由来すると出ていた。食あたりした時など、吐き気がするとどう英語で表すか、俄かに頭に浮かばないが、sickが、ズバリ正解だ。余談ながら発音は同じだがシックなお洋服をお召しですねの表現はchicと書く。うっかりsickなどと書くととんでもないことになるから外国語は怖い。
話は飛ぶ。先般、米FRB議長のパウエル議長が金融政策にpatientを特に「言葉選び」して使った。その米FRBが7月のFOMC会合で0.25% 政策金利を下げ、一転して利下げに舵を切った。瞬間的には、市場は利下げを歓迎してNY株式市場は急騰した。しかし、その後、米中貿易戦争激化、世界経済減速、世界同時株安と不安定な状況が長期間継続するとの見方が日増しに増えてきている。トランプ米大統領は9月開催のFOMC会合をにらんで1.0%の利下げをせよとパウエルFRB議長に圧力をかけた。先週、米ジャクソンホールで開かれた中央銀行総裁会議でパウエル議長は「政治的圧力に影響を受けない」と応じた。
28日、元NY連銀、ダドリー総裁は「予防的な利下げを思いとどまるよう」公開書簡を出した。異例の事態だと受け取られている。今回のダドリー氏の警告は2020年の米大統領選挙を一年余り後に控えて一層注目される。NY債券上昇、利回りが低下した。NY外国為替市場ではドルが下がりたがっている。パウエルFRB議長は先のジャクソンホールでの講演でも金融政策に限界があることを認めた。妙薬は口に苦しというが、媚薬、利下げは一時の苦痛を癒すことが出来ても必ず深刻な副作用をもたらすリスク覚悟が求められる。副作用のない薬はない。身体の中から発する真の声を聴くpatient(辛抱)が求められる。(了)