2022年12月30日、NY株価はダウ、S&P500,ナスダック3指標揃って値下がりして今年最終商いを終えた。その他記事も含めて30日の主要欧米メディアの記事を以下紹介する。
FT(フィナンシアルタイムズ)電子版は「①中央銀行によるインフレ対策とロシアによるウクライナでの戦争で世界の株式市場の時価総額が30兆ドル(3,900兆円)喪失した。チープマネーの時代が終わった。②中国での新型コロナ感染者数の急拡大で、英、フランス、スペインが中国人の入国規制にラッシュしている。一方、中国政府は諸外国の中国人入国規制の動きをうけてコロナ変異ウイルスのモニタリングを始めた。③米下院歳入委員会(Ways and means committee)が30日、トランプ前大統領の過去6年分の納税報告書を公表した。トランプ氏の2024年米大統領選出馬に打撃となる内容が示されている。」と伝えた。
WSJ紙電子版は「①米株式市場は2008年来最悪の年を終えた。お金がより安全な避難場所に移動した。テスラ株が年初から65%値下がりした。時価総額が7,000億ドル(927兆円)喪失した。②ロシア産原油の禁輸措置は世界のエネルギーの流れを変える。ロシア産原油はインド、中国へ、中東産原油はプレミアム付きで欧州へ向かう。③安全資産として債券が買われ、債券残高は290兆ドルに達した。」と伝えた。
ブルームバーグ電子版は「①中国国内での新型コロナ感染急拡大で12月の中国経済は大打撃を受けた。②米株式市場は2008年の金融危機以来、最悪の取引で終えた。③トランプ前大統領の6年分の納税報告書が公表された。多額の控除や損失隠しで税金をほとんど払っていないか、まったく払っていないことが示されている。」と伝えた。
30日、NY市場でダウは33,147ドル、73ドル、0.22%安(年間:8.78%安)、S&P500は3,839と9ポイント、0.25%安(年:19.44%安)、ナスダックは10,466と11ポイント、0.11%安(年:33.10%安)で取引を終えた。恐怖指数VIXは21.67と1.07%上昇、米10年債利回りは3.879%、1.24%上昇した。NY外為市場で1ドル=131.26円、1.32%安、1ユーロ=140.55 円、0.89%安、1英ポンド=158.69円 、1.02%安と対主要通貨で円高が進んだ。ブルームバーグ電子版は「日銀が日本の物価見通しを引き上げたことに市場は反応した。」と伝えた。NY原油(WTI)はバレル80.44ドル、2.60%高、北海ブレント、同86.00ドル、3.04%高で取引された。NY金はオンス1,830.10ドル、0.22%高、ビットコインは1万6,579ドル、0.175安で取引を終えた。
30日、東京証券取引所「大納会」の記念式典に岸田首相は9年振りに首相として出席NISA(小額投資非課税制度)の恒久化に触れ『貯蓄から投資』へのシフトを大胆に進めると述べた。「笛吹けど踊らず」という言葉がある。「笛を吹く」は「手を尽くす」こと。「踊らず」は「相手が動かない」意味だ。来年は岸田首相の本気度が試される年になりそうだ。(了)