神戸は平成7(1995)年1月17日、午前5時47分震度7強の地震に見舞われた。頭をわしづかみにされ振り回されたような感触がいまだ抜けない。被災者のさる古老が、戦争のときは頭の上から焼夷弾と爆弾が降ってきた。地震も怖かったが昭和20(1945)年3月と5月の神戸空襲の方がはるかにすごかったと話した。
日本では、いま不況だ、不況だと騒いでいる。窓から見える六甲の山並みは雲ひとつなく晴れ渡り、静かな朝を迎えた。地震の時寸断された国道2号線では、なにごともなかったかのように車がひっきりなしに走っている。
NY原油先物(WTI)相場が、12月18日、前日比10%、3.84ドル下げ、バレル36.22ドルで取引を終了した。これは2004年6月29日以来の4年半ぶりの安値であると今朝のWSJ紙は報じている。今年7月には史上最高値の147.27ドルを記録した。様変わりだ。
動物には一定方向に群れ全体が走るスタンピードという基本的行動パターンがある。NY昨日、今日の原油市場の動きを見ていると、人間も所詮、動物だなとつくづく思う。完全に浮き足立っている。冷静に考えれば命をとられるわけでもない。にもかかわらず自分が自分でなくなっている。
NY株式市場では、原油相場急落を嫌気して安くはじまったが、GE(ジェネラルエレクトリック)に対する格下げが伝えられると引けにかけて下げ幅を拡大し、前日比2.5%、219ドル安の8,604ドルで取引を終了した。
GE株は8%、シエブロン、エクソンの石油株は5%、クライスラーとの合併交渉を再開したと伝えられたGM株は16%それぞれ値下がりし、全面安の展開となったと今朝のWSJ紙は報じている。
一方、NY外国為替市場では、ドルが買い戻され、一時、1ユーロ=1.4235ドル、1ドル=89.92円で取引された。米FRBが事実上ゼロ金利までさげたことで①世界的にドル需要が増える,②日銀が政策決定会議で再利下げするとの期待が買い材料であるとWSJ紙は解説している。
アメリカは事実上のゼロ金利である。ゼロ金利の先輩の日本は既に0.3%だから下げ余地はない。戦時中の縁故疎開のときを思い出す。空腹のためにお粥の中をなんども米粒を探していた。ゼロだと頭で分かっていても米粒をなお探す姿がいかにも哀れである。
リチヤードクー氏の最近のコラムで、「貯蓄を増やし、借金を減らす方向に動いている。これは個々のレベルでは正しいが、みんなが同じことをすると、民間の貯蓄と借金返済分を借りる人がいなくなり、それがデフレギャップとなって総需要が減少する。29年の大恐慌で同じことが起った。米国のGDPは4年間で46%も消滅した」と書いておられた。
日本は戦後63年間、ほぼ一貫して輸出、輸出と需要には国内需要もあることを忘れて輸出拡大に狂奔した。いまその揺り戻しがきている。円高は悪、円安は善と刷り込まれてきた。
日本は資源の99%を海外から輸入して生活している。原油がそのシンボルである。ガソリン、軽油、灯油は輸入原油から国内で生産される。その原油が高値の1/4まで下がった。
日本は実に平和である。いかに日本が恵まれているか。感謝の気持ちが少な過ぎる。(了)
日本では、いま不況だ、不況だと騒いでいる。窓から見える六甲の山並みは雲ひとつなく晴れ渡り、静かな朝を迎えた。地震の時寸断された国道2号線では、なにごともなかったかのように車がひっきりなしに走っている。
NY原油先物(WTI)相場が、12月18日、前日比10%、3.84ドル下げ、バレル36.22ドルで取引を終了した。これは2004年6月29日以来の4年半ぶりの安値であると今朝のWSJ紙は報じている。今年7月には史上最高値の147.27ドルを記録した。様変わりだ。
動物には一定方向に群れ全体が走るスタンピードという基本的行動パターンがある。NY昨日、今日の原油市場の動きを見ていると、人間も所詮、動物だなとつくづく思う。完全に浮き足立っている。冷静に考えれば命をとられるわけでもない。にもかかわらず自分が自分でなくなっている。
NY株式市場では、原油相場急落を嫌気して安くはじまったが、GE(ジェネラルエレクトリック)に対する格下げが伝えられると引けにかけて下げ幅を拡大し、前日比2.5%、219ドル安の8,604ドルで取引を終了した。
GE株は8%、シエブロン、エクソンの石油株は5%、クライスラーとの合併交渉を再開したと伝えられたGM株は16%それぞれ値下がりし、全面安の展開となったと今朝のWSJ紙は報じている。
一方、NY外国為替市場では、ドルが買い戻され、一時、1ユーロ=1.4235ドル、1ドル=89.92円で取引された。米FRBが事実上ゼロ金利までさげたことで①世界的にドル需要が増える,②日銀が政策決定会議で再利下げするとの期待が買い材料であるとWSJ紙は解説している。
アメリカは事実上のゼロ金利である。ゼロ金利の先輩の日本は既に0.3%だから下げ余地はない。戦時中の縁故疎開のときを思い出す。空腹のためにお粥の中をなんども米粒を探していた。ゼロだと頭で分かっていても米粒をなお探す姿がいかにも哀れである。
リチヤードクー氏の最近のコラムで、「貯蓄を増やし、借金を減らす方向に動いている。これは個々のレベルでは正しいが、みんなが同じことをすると、民間の貯蓄と借金返済分を借りる人がいなくなり、それがデフレギャップとなって総需要が減少する。29年の大恐慌で同じことが起った。米国のGDPは4年間で46%も消滅した」と書いておられた。
日本は戦後63年間、ほぼ一貫して輸出、輸出と需要には国内需要もあることを忘れて輸出拡大に狂奔した。いまその揺り戻しがきている。円高は悪、円安は善と刷り込まれてきた。
日本は資源の99%を海外から輸入して生活している。原油がそのシンボルである。ガソリン、軽油、灯油は輸入原油から国内で生産される。その原油が高値の1/4まで下がった。
日本は実に平和である。いかに日本が恵まれているか。感謝の気持ちが少な過ぎる。(了)