この「診断即治療」は、
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きのうの大阪地震で亡くなられた方や被災に遭われた方々に謹んでお見舞い申し上げます。
地震やサッカーに気を取られて、キーボードをたたくのが遅くなっています。
エレベータも動かないので、出るのも億劫ですが……。
腹七土に懲りがある
腰を反ると右腰が突っ張る
さて、
何年も当院に来られている方ですが、営業の仕事と関係あるのか、ものすごく気を遣う方がいます。
たとえば、先日来られた時には、無理やり体の変調や、気になるところを探しているように見えました。(^_^;)
そして、問診したスタッフに、
「こうして腰を後ろに反らすと、右腰が突っ張る感じがします」と話していました。
そこで、ブースに入って、仰臥になってもらい、腹部を探ってみました。
※ 腹部は、頭蓋JAAで使う診断に使います
すると、問診から判断したのは、「肝」だったのですが、腹部では「土=脾」が出ていました。
「おかしいなー」と思いながら、2~3度診たのですが、やはり「土」が出てくる。
「ま、いいか」と、頭蓋JAAでの「臓点土」に刺鍼しました。
しかし、よく考えてみると、七星論では「水→金→地→火→木→土」とエネルギーは流れるので、「土」に異変が出てもおかしくはないのです。
つまり、問診で「木」と思っても、「木の子」である「土」までエネルギーが落ちているので、腹部には「土」が出てもおかしくないわけです。
ですから、「臓点土」に刺鍼した後に腹部を触ったら、凝りが取れていました。
それで良かったわけです。
でも、それだけで満足するわけではありません。
最初の「腰を後ろに反らした時の違和感」が取れているかどうかまで確認しないと、満足できないのです。
ですから、その方にも、
「腰を後ろに反らしてみてくれませんか」と頼みました。
すると、パッと起きて、腰を後ろに反らしながら、
「あ、はい、はい。取れたようです」と言っていました。
これで私も満足できたわけです。(^_^;)
最近、頭蓋JAAでの「臓点」の使い方をず~~っと考えながら治療をしているのですが、腹部での診断と合わせると、かなり効率のいい治療ができるようになります。
七星論での「腹部七星」は、単に「腹七」などと呼んでいますが、この治療で使う「腹七」には、胃、小腸、大腸、三焦、胆嚢、膀胱などの診断法もあるので、かなり便利に使うことができます。
そして、この診断法は、鍼灸学生でも使える方法なのです。
ただし、他の診断法と一緒で、弱点もあります。
ですから、その弱点をカバーできるような方法を考えたのです。
「他の診断法と一緒で」という言葉に引っ掛かる治療師もいると思いますので、少し説明を入れておきます。
たとえば脈診を例にとりますと、脈診は、臓腑の盛衰を診たり、臓腑のバランスを診たり、鍼灸での補瀉を決定したりするのに、非常に大切な診断法だと考えていますが、以下のような弱点があります。
① 術者の主観だけで診断をする
② 今、現在の診断はできても過去の診断には使えない
③ 脈診での脈位の種類がいくつもあり、どの脈診が正しいのかは、未だに証明されてない(脈診家に恨みがあるわけではありません・笑)
④ それらの弱点を補うための工夫がわかりにくい
ですから、七星論での診断法には、これらの弱点を補うような診断を組み入れてあるわけです。
そして、この腹七による診断は、鍼灸学生でも使えると思えるほど易しい方法ですし、「患者さんと術者の双方が確認できる方法」なので、フェアな診断法になるのではないかと考えているのです。
この患者さんのように、「気遣い」が強くて、無理に症状を見つけてくれなくても、お腹を触れば双方(患者と術者)でわかることなので、フェアで便利な診断として使えるわけです。