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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

3つの顔

2008-08-31 06:45:35 | エッセイ
 
 その昔、どっかで聞いた話。
 「人間には、他人(ひと)には見せてはならない3つの顔がある」というもの。一つは「お金を数えている時の顔」、次が「嫉妬している時の顔」というところまでは覚えていたのだが、もう一つがどうしても思い出せずにいた。ネットで検索しても出てこないし、ずっと頭に引っ掛かっていた。
 それが最近わかった、というお話。

 昨年亡くなった作詞家・阿久悠についてのコラムが、8月1日の朝日の夕刊に載っていて、その中に、彼の父親の話として「男が他人に見せてはいけない顔」としての記載があったのだ。
  ・飯をかっ喰う顔
  ・便所で力みかえる顔
  ・嫉妬で鬼になった顔
  ・性に我を忘れる顔
  ・金の亡者になった顔
 1番目のは人前で食事する限り無理な話だろうし、4番目のはいわゆる秘め事であるからあまり表に出るようなものでもない(食欲にしろ性欲にしろ、ガツガツし過ぎるのは無論バツ)。いずれにしても、みっともないことには変わりはないが。

 結局、僕が思い出せなかったのは2番目の「便所で力みかえる顔」だったようだが、言われてみれば何てことのないものだった。
 また、これは別に男に限った話でもないはず。その上で、現代風にまとめるとこうなる。
 ―人間には、他人に見せてはならない3つの顔がある。
   ①お金を数えている時の顔
   ②嫉妬しているときの顔
   ③トイレにしゃがんでいる時の顔

 ところで、僕が昔聞いたのは、阿久悠の父親の話ではなかったように思う。おそらく、明治あるいは大正時代の常識として、上記のようなことがよく言われていたのではないか。それが廻りまわって、僕の耳にも入ったのだろう。

 なおこの話、これから2人が一緒になるという披露宴のスピーチなんかに使えると思っているのですが、なかなかその機会がなくて…。尾籠な話が一つ入っているものの、よかったら使って下さい。

 〔写真は、北京の高級料理店での京劇〕

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10分でできること

2008-08-24 09:30:13 | エッセイ
 
 お盆の週は休むことができた。
 休みに入る前、やっておきたいと思っていたのが、たまっているメールや雑誌を片付けること。1週間(正確に言うと9日間)あれば、充分に片付くはずだった。

 だがメールも雑誌も、全部片付けることはできなかった。夏の休みとなれば、プールやキャンプにも出掛けるし映画を見に行ったりもするし、一つ一つはたかだか10分で終わるものでも、何か月分とか半年分とかたまると、読むのもひと苦労ということになってしまう。
 結局、残りはまた後日というわけなのだが、常日頃やっていれば何てことないもの。普段の日は疲れてそれどころではない、という言い訳はともかく、毎日毎日の積み重ねであるなあ、と当たり前のことに今回も気付かされた次第。

 まあこれは、プライベートに限らない。仕事でも、ほんの数分で片付くことを放っておくと、山積みになってしまう。それにプライベートと違い、他の人に迷惑を掛けることにもなりかねないってところがまた厄介なところ。ほんのちょっとのことなんだけど、それができるのがいわゆる「デキル奴」ってことなのだろう。

 ところで、40日くらいの夏休みというものが、大人になってもあるもんだと、ずーっと勘違いしていたことがある。身近な学校の先生を見てそう思ったからのようだが、数週間の春休みや冬休みも、あったらいいのにねえ。
 ただ、それほど長くはないとは言え、年末年始やお盆休み、それにゴールデンウィークと、ちょうどいい間隔で長期の休みがあるのは、なかなかうまく考えたもの。学校で言う、学期の区切りみたいになっている。
 今回はお盆休みだったんだけど、その代わりというか、8月に祝日というものがないのは、皆さんご存知のとおり。

 さて、次の年末年始まで、4ヶ月…。
 

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反町ジャパン完敗

2008-08-17 12:16:33 | サッカー
 
 なでしこジャパンが中国に勝って、準決勝へ。アウェイの中、2-0とは大したもの。前半終了間際にバタバタしたほかは、チェックもパス回しもうまくできていて、安心して見ていられた。
 一方の男子(反町ジャパン)は、勝ち点1さえも挙げられずに敗退。もちろん監督だけの責任ではないだろうが、大会前の「肉体、戦術、精神、いずれも充分に仕上がった」という談話が、今となっては虚しいかぎり。
  “世界”を相手に1-4では完敗と言っていいだろう。だからという訳でもないが、悪かった点ばかりが残っている。

 みんなも感じてるように、初戦(対アメリカ)がすべて。
 FW森本は、ボールをもらって突っ掛けては相手に奪われていた。まともに抜けたのは1回あるかどうか。リズムを崩していたのは間違いない。個人的には李忠成の方がガッツがあっていいと思うし、先発で使ってほしかったなあ。
 平山がいれば、という意見もあるようだが、あのヤル気なさそうな顔つきというのはどうも、といつも思っている。顔つきといえば、MF谷口だったか、元気がないというか、なんであんなツラそうな顔してプレーするのかよくわからない。
(どっかで読んだ話だが、勝負事では悲しそうな顔をした方が負ける、という説もあるそうだ)

 前半21分の絶好のチャンス。右からのクロスを森重が外したのはホントにもったいなかった。相手DFより前に、という焦りもあったようだが、確か3戦目のオランダ戦でも、もっとフリーなのに同じように前に行き過ぎてシュートミスがあったから、そういうクセなんだろう。そのクセが分かり合えてなかった、あるいは分かっていてミスした、というのも敗因の一つだろう。連携が悪い、というか。
 そして相変わらずシュートふかし過ぎ。上半身がそっくり返っているからだが、地を這うようなシュートというのをたまには見てみたいものだ。

 他の競技の方はまずまず。準々決勝だったか、柔道男子の内柴選手が逆転で勝利し、そのまま金メダルを手にしたのが大きいように思う。フットワークが軽く、見ていて気持ちのいい男だった。あれで日本選手団も活気付いたのではないか。
 あと平泳ぎの北島選手は見事だったし、オグシオのバドミントンも初めて見たけど、凛々しくてカッコ良かった。

 …とまあお盆休みなので、テレビでオリンピックばかり見ています。
 それにしても、ニュースのトップや新聞の一面をいつも飾っていたような大事件は一体どこへ行ったのやら。「金」とか「連覇」とかいう字が躍って、これはこれで〈平和〉であるには違いない。

 〔写真は、時事通信社より〕

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北京加油!

2008-08-10 09:57:54 | 時事
 
 何と発音するのか知らない、油を加えると書いて「ガンバレ」という意味なんだそうだ。

 北京オリンピックが始まった。2008人の演者による古代打楽器の演奏や数々の絵巻物は、中国らしさ満点だったし、今のあの国のパワーが感じられた。
 そして空中を“走り”ながらの聖火台点灯は見事。あの炎を見ると、いつもグッと来るものがあるし、平和でいいなあ、と思ってしまう。(ロシアのグルジア爆撃、なんてのが同じ日にあったようだが)

 44年前の日本、そして20年前の韓国がそうであったように、オリンピックは景気も良くなるし、国威発揚の場でもある。これで中国もますます世界から注目されることになるだろうが、その分責任というものも重くなってくる。チベットやらウイグル自治区やら、治安はまだまだのようだが、そういうのに対する世間の目も厳しくなることだろう。
 まあ少なくともオリンピックだけは、大きな事故なく成功裏に終わってくれればいいと思う。

 ところで我らが日本勢はというと、開幕前から行なわれているサッカーを含め、ちょっと厳しいようだ。前回から主要メンバーが変わっていないように、ベテランが多い分、実力が下降線に入っている選手も多いに違いない。前回のアテネが良すぎたんで、今回はメダルもだいぶ少ないかも。
 そんなことより、アトランタでの〈マイアミの奇跡〉、シドニーでのマラソン・高橋尚子と、いつの大会も感動的な場面があるから、今大会もいい場面がきっとあるだろう(マスコミの報道の仕方にもよるが)。金メダルだけ、日本人だけじゃないだろうけど、それは楽しみ。

 そうそう、おととい金曜日の東京からの新幹線の中で、たまたま20代の中国人と話をする機会があった。少々はにかみながらも、なかなか話せる好青年で、今回のオリンピックやギョーザの件、仕事の話などをしていた(石膏板の作業をしているそうだ)。中国が、またちょっと身近に感じられたところ。
(し、しまった。「加油」の発音を聞いとけば良かった)

 あと、ものすごく気が早いけど、今年の漢字は中国の「中」かも、とテレビで開会式を見ながら思ったのでした。
 

〔写真は、3月に出張した時に撮ったもの〕

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富士登頂2回目

2008-08-03 10:41:38 | 
 
 7月26日、高校生の息子と日帰りで富士山に登ってきました。
 20年ほど前に一度先輩に連れて行ってもらい、なかなか良かったので、4年前にも大きくなった子供を連れて行ったのですが、途中嵐になってしまって頂上までたどり着けず、今回はそのリベンジというわけです。
 山小屋を予約した方が楽なのですが、そうすると天気が悪い時に当たることもあるので、今回は、夕日を眺めるだけの日帰りとしました。

 まずは『るるぶ・富士山』で予習。五合目から十合目まで約5時間ということなので、逆算してお昼には富士宮口五合目に着き、みやげ物屋で金剛杖を買ったり食堂で〈きのこそば〉を食べたりして1時間ほど(この1時間というのが、体を慣らすのに大事なようです)。
 あとはひたすら登るのみ。飲み物はもちろん、酸素ボンベとブドウ糖は必須。高山病やらでバテないよう、出発前、それから休むたびに補給して。
 飲み物は上でも売ってはいるのですが、上に行くほど高くなり、下界では150円の500mLペットボトルが最後500円になったのにはちょっとびっくり。仕方ないとは思いますが。

 当日はいい天気だったものの、富士山一帯は雲におおわれていて、景色もほとんど見えず。八合目あたりからその雲を突き抜け、きれいな雲海、そして夕焼けを眺めることができました。最高地点〈剣ヶ峰〉の横、使用されなくなった測候所の展望台から、その夕焼けを見ながら弁当を(日が落ちたせいもあり、さすがに涼しかった)。
 『るるぶ』では下り2時間40分ということでしたが、暗くなって足元が見づらいのと、ご来光拝むため泊まりに登ってくる人たちが多くて、3時間以上かかってしまいました。しかしきれいな星空も見ることができました(天の川なんて、久しぶり)。
 夜10時半に五合目到着。幸い店がまだやっていたので、お菓子やらキーホルダーやらを買って帰途につき、自宅にたどり着いたのは零時半頃。お疲れお疲れ。
 なお、下りの方が滑りやすく、子供も僕も、3回くらいずつ転んでしまいました。下は砂利道みたいなものだから、カカトから着地するようにしたらいいようです。

 ご来光は拝めないものの、日帰りでも充分登れることがわかりました。「しばらく富士山はいいや」って思いますが、不思議なもので、また登ってみたい、という気持ちも少しは。体力のあるうちに…。
 そうそう、途中バテそうになって道端で休んでいると、どこかのおじさんが「ほれガンバレ! わしゃ2往復目だぞ」と抜いて行った。九合目あたりで下ってくるそのおじさんにまた会い、聞いてみると、下に停めた車に泊まりながら、2週間ほど連続で2往復しているとのこと。スゴい人もいるもんだ。
 それと、お互い「こんにちは」とか「頑張って下さい」とか挨拶し合うのも登山のいいところ。あと相手がいやがらなければだが、残った酸素ボンベや栄養剤は、バテてそうな人に分けてあげるのもいいかもしれない。

 富士山の写真を見ては、頂上の出っ張り(剣ヶ峰)に立ったことを思い出しています。ただ3日ほどは、足が筋肉痛でした。
 

 〔写真は、九合目より頂上を望むところ〕

コメント (1)
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