前回、ずいぶんと昔のことを書いてしまった。
なぜあんなことを思い出したかと言うと、もう終わってしまったがNHK『10年先も君に恋して』を見ていたから。
上戸彩主演のこのドラマ、結婚10年目で破綻した夫婦の夫の方(内野聖陽)が、タイムマシンで出会った頃に戻って破綻を阻止しようとするもの。
その結末はともかく。かわいらしいとは思っていた上戸彩だが、あんなに演技が上手だとは思わなかった。未来のけだるそうな妻役もハマっていたし。
その中で、ほとんどすっぴんで出演している場面もあった。(まだ若いからできること)
あの上戸彩みたいに、女性みんながすっぴんでいたら、世の中どんなにつまらないことだろう。外に出る女性はみな、10分なり20分なり、人によっては何時間もかけて化粧をしてくれる。
もちろんそれは「きれいに見られたい」「若く見られたい」という女性なりの心理なのだが、そのおかげで僕ら男性陣は、癒やしてもらえるのだし〈眼福〉も味わうことができる。いい香水のかおり付きの場合だってある。
きれいな服を着るのだって、自分のためなんだけど、その代金のご利益を受けているのも、周りの人。
もちろん僕だけのためじゃないんだけれど、毎日毎日、すべての女性が僕らのために化粧をし、美しく着飾ってくれるのかと思うと、ありがたくて仕方ない。もし彼女たちがそれを放棄したら…。
それは道端の草花でも同じ。
もちろん虫や鳥をおびき寄せ、受粉ひいては子孫繁栄が目的ではある。でも僕らも毎日、見ることで嗅ぐことで楽しませてもらっている。
仮に梅や桜の咲いてない春、キンモクセイやコスモスの咲かない秋、サンマやマツタケのない秋を想像してみるといい。味気なくてしょうがないことだろう。
女性にしろ草花にしろ、いてくれるだけで、咲いているだけで、ありがたいことだ、と。別に付き合えなくても、話さえできなくても、そこに存在してくれるだけでいい。
こう考えていくと、この世は天国なのではないかという気もしてくる。
ところで上戸彩、“山本勘助”とも対等にやりあっていたし、そのうち大河ドラマの主役でもやるんじゃないか。
〔写真は、Artworksより〕