ちょっとしたブームになっているようだが、『人は死なない』(バジリコ出版)という本を読んでいて、気になっていた新聞記事のことをふと思い出した。
8月22日の朝日に載った『「時空の素粒子」求めて』というもの。この宇宙の時間や空間は、切れ目のない連続的なものと考えられているが、実は最小単位があるのではないか、という内容。細かい理屈はよく分からないが、ブラックホールの状態を説明する理論によれば、これ以上細かく分けられない限度があるのだという。
2つに分けたレーザー光線を鏡に反射させてまた合わせ、その波の違いを見ることで比較的簡単に検出できるそうで、アメリカの研究者が来年にでも実験して確かめるとのこと。
この結果はまた楽しみに待つことにしたいが、物質ならともかく、時間や空間に最小単位があるというのが、どうにも理解しがたい。
たとえば何もない真空の空間。それと宇宙以外と何が違うのか、という疑問は、科学好きな人であれば一度は持ったことがあるかと思う。
分かりやすく説明するなら…真空の空間であっても、光や電波、重力は伝わる。しかしこの宇宙の外では、光や重力は伝わらないに違いない(もし伝わるとすれば、そこもこの宇宙内であると言える)。つまり何もない1リットルなら1リットルの空間にだって、光などを伝える“能力”を持っていることになる。
だから空間に最小単位があるというのも、あながち不思議ではないのかも知れない。
球体なのか立方体なのか、仮に空間に最小単位があるとしたら、きっと〈すき間〉もあるに違いない。そしてそれは他の次元/宇宙とつながっているのかも。多元宇宙という説も最近はやりのようだが、宇宙同士が隣りに並んでいるのではなくて、宇宙と別の宇宙とは重なり合っていると考える方が自然なのかも知れない。
勝手ながら使わせてもらった冒頭のイラストは、その概念を示したもの。そして重なり合った別の宇宙というのは、前世あるいは来世なのかも知れない、という気がしている。
空間にすき間があると考えれば、何もない空間から素粒子が発生/消滅するというのも理解できるし、ニュートリノの速度も説明できるのかもしれない。2つに分けた素粒子の片方に力を加えると別の片方にまで作用が現れるというのも、別の次元を考えないと説明がつかない。
時間の最小単位の方は、コチコチ動く秒針をイメージすればいいのかも知れないが、それでもよく分からない。時間を行き来するタイムトラベルとも関係するのだろうか。
…つづく 〔イラストは「4次元時空理論」より勝手ながら拝借〕