eSSay

エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

男の子ガンバレ!

2005-11-28 20:21:54 | 女の子
今月16日の朝刊に、仕事で英語を使う女性は使わない女性に比べて年収が40%も高い、という記事があった。男ではそれが18%だそうだが、いわゆるインテリだと、稼ぎも多いようだ。

それで思い出したが、8月3日(古くて恐縮です)の夕刊に「年収低いと結婚率も低く」というのがあった。
30~34歳の男で、年収200万円以下だと結婚している率は約3割。年収が高くなるにつれその率は高くなり、300万以上で5割、400万以上で6割、500万以上で7割を超え、1500万円以上だと9割に達するという。まあ当たり前と言えば当たり前の話なのだが。
1000万以上はちと稼ぎ過ぎって気もするが、やはり先立つものが、つまり財布にある程度のものがなければどうしようもないのが、現実というもの。一方、フリーターやニートも増えてきている。もちろんいろんな価値観があるのは分かるし、家庭を持つことだけが人生の目的でもない。

女性も社会に進出してきているし、養ってもらうことも可能だろう。また、共働きであればかなりのお金を稼ぐことも出来るだろう。とは言っても、女性よりお給料低ければ、何とも恥ずかしいものだ。女性はやはり、自分より“下”であるよりは“上”であることを望むのだと思う。
今の女性は、情けない男たちに飽き飽きしているのかもしれない。男がバカだと、それに合わせて女も頭が悪くなる。男が立派になれば、女もそれにつられて…。そうすれば日本、ひいては世界が少しずつ良くなっていく。

努力すればそれなりの報酬が得られるのが今の社会。あくどいことをやる必要もないし、遊びをまったくやめる必要もない。アニメやゲームにのめり込むのもいいけれど、一人でいいから女性を幸せにするというのは、いいものだと思う。

世の男の子たち、ガンバろう!

(「男の子」とは、もうとっくに言われなくなってしまった者として)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サイボーグの時代

2005-11-22 12:15:44 | 科学/考察
 見損ねてしまったのだが、先日のNHKスペシャルで、「サイボーグ技術」というのをやっていた。機械が脳とつながり、義手も思ったとおりに動かせるのだという。さらに、脳からの情報を増幅させて動くサイボーグ兵士の開発も研究されているらしい。

 脳と電極で結んだ、あるいは脳からの指令によりリモコンで動くロボットが、例えばサッカーをするようなことがそのうち出来るのかもしれないとは思っていたが、同じようなことを考える人はいるようで、いずれ実現しそうで何だか楽しみである。サイボーグ兵士はまっぴらだが、脳波で動く射撃の名手や短距離走者なんか出来たら、オリンピックは様変わりするかもしれない。人間に交じって、サイボーグ選手が競い合うというような…。
 手足が不自由でも、自分がプレーするのと同じようにできるのだとすれば、運動なんてしたこともなかったような人が、ものすごいプレーをするかもしれない。とすると、運動神経がいい、というのは何も体が健康な人だけに言えることではなくなってしまう。ひょっとすると、脳みそだけがあれば、体は要らなくなるのかも。まるでSFみたいだが。そして、同じ型のサイボーグであれば、肉体的なハンディがなくなってしまうから、子供と大人、男と女が対等に勝負できる。体の小さな女の子が、スポーツ競技で世界一になるってことも。

 これらは脳から外部に働きかけるアウトプットだが、逆にインプット、つまり脳の特定部位に刺激を与えれば、特定の感覚が得られるという。映像を直接脳に送ることで“視力”を回復できた事例があるという。そういえば、脳のある部分を刺激することで味を感じたり怒りっぽくなったりする、という実験結果もあるというのを、どこかで聞いたことがある。
 脳にいろんな刺激を与えれば、喜怒哀楽はもちろん、海外旅行や宇宙旅行、あるいはありもしない世界を見たり聞いたりすることが“体験”できるのかもしれない。まるで『マトリックス』みたいだが。
 倫理的にどうか、という問題はあろうが、理論的には可能だと思う。

 さらに考える。僕ら人間は自分の意思で動いていると思っているが、ひょっとしたら、別の次元にいる何者かの意思を受けて動いているのかもしれない。僕らはこの世界での〈サイボーグ〉なのかも。これもSFみたいだか。

【お詫び】
 10月23日の記事の中で、「アスベストを発見したのは平賀源内」と書きましたが、平賀源内はアスベストを用いて燃えない布を作っただけでした。発見はイタリアで、4千年以上前のことです。お詫びして訂正します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「社長になられるお方」(下)

2005-11-13 09:00:12 | ショートショート
 O君の上司には、社長あるいは歴代の人事部長から内々に話があり、それはいつの間にか皆の知れるところとなったのだが、のんびり屋のO君だけがその辺よくわかっていないようだった。そういうところ、大物と言えなくもない。
 またこんなこともあった。ある年の忘年会で遅くなったO君、繁華街をふらふらと歩いていたところ、悪い女に引っかかりそうになった。「ちょっといいとこ行かない?」なんて言われてその気になりかけたのだが、どこからか現われた男たちに引き離されてしまった。でもそんなこと、酔っ払った彼には、夢の中の出来事だったに違いない。
 口ベタでパッとしないO君のこと、女の子からそうモテるはずもなく、結婚相手もなかなか見つからなかったが、会社の上役から持ちかけられた見合い話、それもとびっきりいい所の、これまたとびっきりのきれいなお嬢さんと、とんとんと話がまとまり、めでたくゴールインとなった。
 かくして20年。普通ならせいぜい課長クラスというところ、O君はついにその会社の社長の椅子に座ることとなった。ところが運悪くというのか、不況の波が押し寄せ、このままではいずれ会社が倒れることになる、というところまで来てしまった。
 しかしそれは同じ業界の他社とて同じこと。やがて、業界再編という動きが加速して行く。とは言っても長年の社風というのはそう変わりようがなく、その違いによって、うまく行かないことの方が多かった。N社にもそういう話が持ちかけられては消えていく、ということが何回か続いた。
 そして次に話の来たS社。ここも合併話が持ち上がっては消えていく、ということの繰り返しだった。社風の違いはもちろん、それはひとえに、若社長のクセの強さによるものだった。N社のO社長と同じくらいの年なのだが、気難しいというのか、相手となかなか折り合わず、話がまとまらないのだ。
 そこへ来たのがN社との話。若社長は、また話が合わないのでは、と思いつつ会談の席に付いた。クセの強い人間というのは、だいたいが自分のクセの強さを棚に上げて相手のせいにするものだ。ところがS社の若社長、N社のO社長とすぐに意気投合してしまい、若社長が新会社の会長、O社長は社長のままということで話もトントンと進み、めでたく合併ということになった。こうなれば業界の中でもベスト3には入り、当面は安泰となったわけである。
 名指しされた男、O君は、何の取り柄もない、ただ、S社の若社長とウマが合う、気が合うというだけだった。しかし、見事会社を救ったのだ。そう、やはり新宿の占い師は正しかったのである。
 いずれにせよ、O社長の周りにはその補佐のため優秀な人間が集められていたおかげで、その後も順調に業績を上げて行ったとのこと。めでたしめでたし。

 ところで、S社の社長、これも若くしてトップに上り詰めた男なのであるが、約20年前のこと、銀座のとある占い師によって名指しされたのだという。N社とS社の2人の社長、どちらがニワトリやらタマゴやら…。
 まあこういう人生もあっていいだろう。いや、人生ってこんなものなのかもしれない。


 Copyright(c) shinob_2005


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「社長になられるお方」(上)

2005-11-06 08:40:51 | ショートショート
 重要ポストに誰を据えるか、というのは、どこの世界でも頭が痛いもの。ましてや、一流企業の社長ともなれば、なおさらのこと。

 ある会社があった。仮にN社としておこう。ここの経営陣も、次の世代を任せられる人材を求めていた。ただ、今後予想される難しい時代を乗り切るのは容易なことではない。そこで、社長の命を受けた人事部長が、新宿のとある有名な占い師に観てもらったところ、ひとりの新入社員の名前が挙げられた。
「その男が、いずれ会社を救うことになるでしょう」
 首をひねりつつ、人事部長は社長の元へと戻って行った。名前を挙げられたO君、面接試験や入社式で会ってはいたのだが、どうも印象がうすい。と言うより、そもそも、会社を背負って立つ器にはどう見ても思えなかったのだ。これには社長も同意見で、有名な占い師も時には間違えることもあるのでは、と2人して思ったものだった。
 しかし数々の逸話を残している占い師の御託宣をムゲにするわけにはいかなかった。次の日から、特命事項として、O君を社長にする動きが秘密裏に進められた。次の人事発令で異例の係長昇進を果たしたかと思うと、あれよあれよという間に出世の階段を上って行くのだった。
 その成り行きに周りでは、「きっとどこかの御曹司に違いない」だの「政財界の重鎮にコネがあるはずだ」だの、「裏であくどいことやっているんじゃないか」などという噂が広まっていった。果ては、「高貴な守護霊が付いているのに違いない」というものまで。まあこれは、当たっていないこともない。
 心配になった社長が当人を呼んで話をしても、特に気の利いたことを言うでもなく、それほど頭がいいとも思えなかった。仕事が早いわけでも、人の扱いがうまいわけでもなく、仕事ぶりはむしろ遅くてのんびりした方だった。どうしてこんな人間がわが社を救うことになるのか、といぶかざるを得なかった。仕方なく再度くだんの占い師を訪ねさせてみたが、結果は同じことだった。
「その男が、いずれ会社を救うことになるでしょう」
 その間もO君は社長への道をまっしぐら。ただ大変なのは周りである。会議でトンチンカンな発言をして関連部署を困らせたり、取引先に安請け合いをして社内外を混乱させたり…。そのたびお付きの者やらが後始末に奔走するのであった。ただ、のんびり屋の彼を補佐するため、優秀な人材がその周りに配置されていたため、いずれも大事には至らなかったのであるが。
 こんなこともあった。かねがね面白くないと思っていた、O君と同期の1人が、廊下でバッタリ会ったのを幸い、何やらカラみ絡み始めた。O君は適当にあしらっていたのだが、それからひと月も経たないうちに、その同期のカラみ屋は、遠い地方へ、表向きは栄転という形で転勤させられた。もちろん、O君が誰かに告げ口したわけではない。
 その同期に限らず、追い越された社員の中には、不満を持つ者がたくさんいた。まあ当然と言えば当然なのであるが。特に同じ職場で働く人間には、身近にO君を見ているだけに不思議でならなかった。どうしてこんな人間がどんどん出世していくのだろう、と。しかしそんな思いも、密かにささやかれているこんな言葉にかき消されるのであった。「彼は社長になられるお方なのだ」という。

(つづく)

 Copyright(c) shinob_2005

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする