一人一党 自分だけ
一人の党が 僕の党
大事な自分をなくしたら
党もへちまもあるものか
この続きもあるようだが、学生時代に出会ったジャン・コクトーの『一人一党』(ひとりいっとう)という詩である。以来、モットーにしているところ。(リズムがいいので覚えやすい。たしか堀口大學訳)
もちろん、一人で政党やったって、実際問題、何をするにも力不足だし、自分で雑用もこなさないといけない。自分なりの気概を持って生きるべし、といったことを述べたものである。
大河ドラマ『龍馬伝』を見ながら、この一人一党を思い出した。坂本龍馬は「亀山社中」という日本初の会社を設立し、ドラマでも仲間たちとワイワイやっているが、やはりどうも〈孤高の人〉というイメージがある。
現実に生きた人間であるから、周りとのいろんなしがらみなり思惑なりがあったとは思うが、「一人一党」に近いような気がする。(理想化しすぎか)
男はツルまないで一人で生きるもの、あるいは、組織に依存するもんじゃない、といった考えはここから来ている。
また、自分を見失わないというのは非常に重要なことで、そうでないと自分の人生でありながらすごく居心地の悪いことになってしまう。長い休みの時など、普段いかに自分が無理しているか、流されて生きているかがわかる。そういう意味で、休暇というのは必要なものだ。
ところで民主党の代表選が、菅首相と小沢前幹事長の一騎打ちになるようだ。それこそ「党」の代表(ひいては日本の総理大臣)を選ぶわけであるが、両名(それと民主党議員の面々)にどれだけ「大事な自分をなくしたら」という気持ちがあるか…。
それぞれ孤独との戦いもあるだろうけど、日本のため世界のため、ガンバってほしいところ。