毎回面白く見ているEテレ『100分de名著』、先月9月は英国の作家デフォーの『ペストの記憶』だった。
原題は“A Journal of the Plague Year”。え、plague? ペストはpestじゃないの? と調べたら「ペスト(Pest)」は医学用語ということでドイツ語とのこと。英語のplagueは「疫病」のことであり、あの中世「ザ・疫病(黒死病)」を言うようになったらしい。またpestは元々「害虫」の意味のよう。
そう言えば、製薬の工場で防虫管理は必須であり、海外からの調査官は“pest control”と言うのだが、「今どきペストなんて変だよなあ」と思っていたところ。実は「害虫管理」のことらしく、それなら納得。
そう言えば、今年1月にチェコのプラハPragueを訪れた際、街の大通りに少々まがまがしい大きな「ペスト克服の碑」なる物がそびえていた。Pragueにplagueの碑、何だかシャレのよう(訂正:碑があるのはプラハではなくウィーンでした! 記憶違いです)。もちろん17世紀だけで何百万人も亡くなった〈ペスト〉は悲惨なことだけれども。
ちなみに、スペルがよく似た言葉“plaque”は「歯垢」のこと。