「このまま人類に地球を任せておいていいものか」
「いやいや、皆に聞いてくださいよ」
「そうか、では“皆”に聞いてみよう。もしNoとなったら、人類には消えてもらう」
「いいですとも」
神様と人間とのこんな話し合いがあり、結局人類が抹消されてしまった、という話をどこかで聞いたことがある。
…そう、神様は地球上のあらゆる生き物に聞いてみた結果、圧倒的多数で“No”が突き付けられたとのこと。
地球温暖化についてはもはや手遅れ、という一部の専門家の意見もあるという。どこかで関係しているのか、地震にしろ天気にしろ、このところはやり変だ。オゾン層の話は最近聞かないが、氷河が縮小し両極の氷は目に見えて減少。日本でも噴火に竜巻にゲリラ豪雨にデング熱…。海外に目を移せば、米国などの一部では水不足が深刻らしい。
ついでに言えば、未婚者の増加。人類はじわりと破滅に向かっているのかもしれない。
おそらく、だけれども、冒頭のようなことが地球上で起きているのかもしれない。気候が変動して(例えばピラミッドに仕掛けられていたと言われるような)熱帯の奥深くに潜むウイルスが目を覚まし、特に人間をターゲットに攻めてくる。結果、人類の数は減少し、緑が増え、二酸化炭素の排出量が減り、地球は元に戻って行くのではないか。
これは言わば、地球自身に仕掛けられた巧妙な、いや見事な仕組みなのかも。
領土争いやら軍備増強なんかやってる場合じゃあない。
とは言え、50年以上生きてきた僕らはともかく、若いこれからの世代には、少々可哀想なことをしてしまっている。
…夏至も過ぎたのにこうも涼しいと、こんなこと考えてしまう。