eSSay

エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

夢叶っているのかも

2018-03-25 08:13:41 | エッセイ
 またまた自分の話/自慢話で恐縮です。

過去① 小さい頃、「こども銀行」のお金を使って遊んだことはないだろうか。どうせ遊びだし、と気前よく使っていたのを覚えている。そして頭の隅では、将来同じようにできるといいな、と薄々思っていたもの。
現在① 参加/不参加問わず、会社の飲み会への寄付は出すことにしている。気前よく、とまでは行かないが、そう無理なく。またユニセフや「国境なき医師団」、ほか被災地へも定期的に(寄付できるってのは幸せなこと)。 そうそう、国税還付で支払った金額の4割ほど戻って来るので、確定申告はお忘れなく(もちろんそのためにやっているわけではないのだが)。

過去② 皆さんもやったと思うが、中学生の頃、将来有名になるんだ、とよくサインの練習をしていた。
現在② 有名人にはなっていないが、会社の立場もそこそこまで行き、細かい作業は若い衆がやってくれるため、最後の判断/サインが主な仕事となっている。若い衆、特に女の子から「サイン下さい」と(意味違うけれども)言われる“結構な”身分になるとは、思わなかった。

過去③ 一浪の末、意に沿わぬ大学に入った頃、何かの占いで「きわめて幸運な人生を送る」という結果の出たことがある。その後大学をギリギリで卒業し、そこそこの会社に入り、そこそこの地位まで行き、現在は名誉職みたいな立場でいる。
現在③ 何人かのかわいい飲み友達もでき、まずまずの人生かと。先日も“同伴”で食事していたら「shinobさんだったら、お店辞めても一緒に食事したいです」と言われた(ウソみたいなホントの話)。「それはそれは」と僕が喜んでいるのをその子キョトンと見ていたから、きっとお世辞ではないのだろう。そう言えばこの子、僕のことを〈成功者〉と呼んでいる。

 ひょっとしたら占いのとおり、そして子供の頃思ったとおりになっているのかもしれない。あるいは僕くらいの年になれば、皆こんなものなのか。
 人生まだ数十年は残っているはずだが、今のところ「いい人生」だったと、そして夢が叶っていると言ってもいいのかも。…何ともありがたいこと。(いやいや、今後何かしら大きな災害/事故/病気にでも遭わないとも限らない)

 とは言え自分のクルーザーでも持って自由に航海するとか、自家用機で以って世界中を飛び回るとかいう身分では、ありません。
 また、決して派手な仕事をしているわけでもありませんし、見た目も私、どちらかと言うと地味なのですが。(合コンなんか出たら、おそらく目立たないと思います)
 ついでながら、合コンに出た女の子がよく言うセリフに「男ども、仕事の話、自分がどれだけ偉いかの話ばかりでつまらない」というのがある。
 仕事以外、また自分のこと以外でどれだけ話の引出しを持っているか、だろうと。

 …自慢ばかりしていても仕方ない。じゃあどうすればいいのかというのは難しいところながら、3冊の本を紹介してその代わりとしておきます。
   デール・カーネギー『道は開ける』
   斎藤一人『変な人が書いた 驚くほどツイてる話』
   里中李生『ちょっと硬派な もてる男もてない男』
 ちょっと長くなりました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

かわいい飲み友達③

2018-03-18 09:32:14 | 女の子
 
 昨年からこの場に書いている、業界活動で知り合った「かわいい飲み友達」とようやく飲みに行けた、という話。(小林明子にも似ているし、ももクロの佐々木彩夏にも似ている子)
 ただ悲しいことに、そのTさん、4月から担当を外れることになったそうで、〈最後の〉飲み会となってしまったのだが。
 とは言え、ちょっとホッとしているところもある。「誘っていいものか」「OKしてくれるかどうか」「彼女仕事大丈夫だろうか」などヤキモキしなくて済むようになるから。(これ言ったら「アハハ…」と笑い飛ばしてくれた)

 大きな行事が済むたびに「お疲れさん会やろうか」という話をしていて、昨年秋そして年末にも予定していたのだが、いずれも彼女の都合が付かなくなってしまい、メゲそうになっていたところ「新年会やりましょう!」と逆に誘われる(どうもその時点で担当替えが決まっていたらしい。真っ先に教えてくれたのは嬉しい限り)。そこで先週の業界の飲み会のあと、2人で静岡の『オルガニコ』というイタリア料理店で二次会兼お疲れさん会、そして悲しい「新年会」。
 通りの見えるカウンターに座り、カルパッチョ食べながらワイン飲みながら、子供のこととか仕事のこととかお互い積もる話(前回が昨年4月)をたくさんし、2時間がアッという間。業務の話はもちろん、僕は僕でかわいい飲み友達がいなくなるのが寂しい旨を伝え、彼女は彼女で仕事上の悩みやグチをこぼし。今回も話が弾み、終わってしまうのがもったいないくらい。
 だから「もしまたグチをこぼしたくなったら、そしてこぼす相手が他にいなかったら、また飲み行きましょう」とユルく約束して別れたところ。(あ、またヤキモキしてしまう…)
 彼女からは「本当に楽しい時間でした。また機会がありましたら、ぜひ」と。

 …愛別離苦。いつか別れは来るものだが、もっともっと話をしたかった。何とも残念。でも最後の最後に「お疲れさん会」で一緒に居られたから、喜んでいいのか。
 あんなかわいらしい子と都合4,5回食事の時間を持てたのは、何とも幸せだった。こんなこと、今後あるかどうか…。切ない気持ちでこれ書いているところ。

 〔写真は『オルガニコ』の名物「鮮魚のカルパッチョ」〕
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

霊魂と重力

2018-03-11 10:13:22 | 科学/考察
 東日本大震災からはや7年。この時期になると、犠牲になったたくさんの人(それから動植物も)のことを考えざるを得ない。
 さて今日の一文は、あるいは何の役にも立たないかもしれない。

 震災に限らず、亡くなった人たちの魂はやはり、その場に残るもののようだ。重さのある僕らが地上に縛られるのは分かるが、重さがないとも言われる魂も重力に支配されるのだろうか。
 気持ちの問題と言うか、この世の物理法則とは別の「霊理法則」とでもいうものがあるのかもしれない。霊魂とは言え大宇宙の一部。自然法則には従うものなのだろう。
 あの世に行けば、その辺分かるのかもしれない。

 もう一つ不思議なのは、生まれ変わりだの前世だの言う時、他の惑星の生物だった、というのは聞いたことがない。古代のお姫様だの、戦国時代の武将だのはあるけれど。
 やはり霊魂も、地球に縛られるものなのだろうか。

 不謹慎ながら、死後の世界を早いとこ見てみたい気もする。いや、その世界も一時的なもので、また別の世界が待っているのだろうとも思っている。
 …あ、午後2時46分には黙祷をしなければ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「特効薬」

2018-03-04 09:36:41 | ショートショート
 製薬会社の役員まで務め上げ、めでたく退職して3年。悠々自適の生活を送っていたが、さすがに体のあちこちガタが来てしまい、軽度の腫瘍も見つかり、入院・手術するはめに。

 手術後、病院のベッドに横になっていても大してやることもなく、現役時代のことを思い出すともなくつらつらと。
 いろいろあったが何とかやり切ったという感じ。ただ一つの心残りは、退職間際に起きた、自社で開発した免疫賦活のとある特効薬の事例。
 特効薬だけあって売れ行きも良く、品切れにならないようフル生産を行なっていたのだが、その最中、あるロットで不純物の増加が見られ、規格を外れてしまった。原因は不明の上、何回試験をしても結果は同じ。営業部門からは欠品になりそうだとの矢の催促が入り、やむなく出荷したもの。
 不純物増加の製品が投与されるとどうなるかについては、さほど大きな影響はなさそうとの意見もあったが、詳しいことは研究部門でもわからず。複雑な作用機序を持つ薬剤のため、不純物がどこでどういう作用をもたらすのか、誰も明確なことが言えず、あとはままよ、と私の最終判断で。忘れもしない、ロット番号は〈833〉。
 やがて原因は解明され、その後の製品は問題なく製造されているというのを、退職後、耳にした。あのロットだけだったというのは、幸いだったと言っていいのか…。

「○○さん、点滴交換しますねー」の声で我に返ると、いつもの看護師さんが手早く点滴の交換をしている。
「免疫が落ちてるんで、それを高めるお薬も入れますね」とのこと。
 免疫賦活剤だな、それは私の会社にもヒット商品があったわいと思っていると、彼女が手にしているのはあの特効薬。そしてロット番号は何と〈833〉。
「これでまた元気になれますよー」

 やめてくれ、とも言えず、そのまま点滴を受けることに。自分の体がどうなって行くのか、神経を集中させる。少しでもおかしくなったら、ナースコールのボタンを押せばいい。
 しかしあのロット、とっくにハけているはずなのに、まだ市場に残っていたとは。そしてまたよりによって、この私に投与されることになろうとは。
 薬の副作用なのか、そのうち呼吸そして心臓の鼓動が荒くなり、息苦しくなってきた。ああ、こんなところで自分の過ちを償うことになろうとは。営業に負けないで、品質第一を貫いていれば。
 あれはたしかに、たしかに〈833〉。ボタンを、ボタンを押さなければ…。

「先生、○○さんどうして心臓発作なんか起こしちゃったんでしょうね」
「さあな。長いことこの仕事やっているが、こんなの初めてだ。この手の薬の中じゃ、一番の特効薬のはずなんだが。いちおう、メーカーには状況と、ロット番号含めて報告しておくとするか。ロットは、えーっと〈883〉…」


  Copyright(c) shinob_2005



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする