オバマ氏がついに勝利した。第44代アメリカ大統領として、絶大な権力を得ることになる。
ただ、現職のブッシュ大統領にしろ、その能力には限界というものがある。地球上でおそらく最も偉いとされる人間でさえ、全知全能の神にはなれないのだ(当たり前の話だけど)。
たとえば神が、穏やかで厳かな者として一つの形態を選んだとする。そうすると、それ以外の形態はとっていないわけで、〈全能〉とは言えなくなる。また、どこかに存在していれば、当然ながらその他の場所には存在し得ないわけで、やはり〈全能〉とは言えない。
だから神があるとすれば、それは姿かたちのないものとなる。(たしかイスラム教では、偶像崇拝を固く禁じていたと思う。ひょっとしたら、こういうのを考えてのことかもしれない)
もし人間のような姿かたちをしているとしても、それは仮の姿であるに違いない(神の化身、仏の化身というのはあり得るだろう)。どんな姿かたちにも変えられないと、〈全能〉とはならないわけだし、さらには〈全能〉であれば「存在しない」ということも可能でないといけない。
すると考えられるものとして、神は意識というか意思というか、あるようなないような、そういうものにならざるを得ない。前にも書いたように、〈宇宙意思〉というものが、神さまの正体ではないかと思っている。
ただこれは、この世界の最高位にあるものであって、守護霊というか、人間よりも一つ上の段階の存在、またその上の存在…というのがあるようにも思う。これは、仏教の唱える六道や十界のようでもあるし、神道で言う八百万の神という考え方でもある。あるいは、『ドラゴンボール』の中に出てくる「地球の神様」や「界王さま」、「界王神」の概念にも近いものだ。
さらに言うなら、この宇宙の〈意思〉が神であるならば、他の宇宙にも神があるはず。そうするとそれらを束ねるそのまた上の神がいるのかもしれない。
とりあえず〈宇宙意思〉が神であるとして、それが宇宙の片隅の地球という星の、そのまた1人のために何かから守ってくれたりするものだろうか、という疑問はある。だから、個々に守護霊なるものが憑いている、と考えるのが合理的である。いや、一人ひとりまで目を配れるのが神の〈全知全能〉たる所以だ、という考え方もできるだろうが。
とは言え、これは人間である僕が、とりあえず一生懸命考えたものである。ものすごく高い次元では、こんなものを遥かに超越しているのかもしれない。とても思い付かないような…。
ところで、なぜ「神があるか」なんてことを考えるようになったかというと、不思議な体験を何回かしているからだ。それはここでは話さないが、この宇宙に僕ら人間が生きているってこと自体が、何かのおかげ、と考えざるを得ないということもある。よくよく考えれば、これって超奇跡的なことなのだから。
ところで、オバマ氏はじめ、アメリカで演説する人はよく“God bless you!”(神のご加護を!)という表現をする。キリスト教の国ならではのことだが、日本じゃそもそも政教分離の原則からできないことだし、そんなことあまり大っぴらにいうもんじゃない、という雰囲気もあって、まず考えられないことだ。
ともあれ、意識を持った多数の人間の決める選挙というのは、〈神の意思〉に近いのかもしれない。とすると、人間全体、それから動植物や微生物、ひいては自然界すべての意思が〈神〉ではないかという気もする。
…難しい命題なので、なかなかまとめづらい。