映画『容疑者Xの献身』を見た。テレビと違って、最後ものすごく切ないものだった。石神役の堤真一は相変わらずうまかったし、靖子役の松雪泰子も良かった。フィクションながら、彼女と娘がその後どうなったのか、とても気になるところ。
今回の事件では科学的なトリックはなかったが、ドラマで次々出てくるトリックには、毎回感心させられたもの。これって、理系であればより面白く感じられるんじゃないかと思う。
つまり言いたいのは、若者には理系に進んでほしいということ。経済や法律もいいけれど、科学技術で世界と勝負するからには、理系のすそ野は広くないといけない。最近は理系志望が減っているそうだし、ノーベル賞をもっと獲るためにも、若者には是非。
実際問題、いわゆるツブシが利く文系と違い、理系は専門的である分、食いっぱぐれは少ないんじゃないかと思う。
理系男子への憧れを描いた『理系クン』という本が出ているそうだ。まだ立ち読みしていないが、「理系クンは浮気をしない」「理系クンはテレ屋さん」、そして「夫にするのに理想的?!」という売り文句だ。
株や証券で儲けるのもいいけれど、誰が犯人で、動機は何なのか、そんなことどうでもいいと考える湯川学のような人間がもっと増えれば、日本はオトナの国になれるんじゃないか、と。
ただ理系はオススメするものの、文系の知識もあるともっとカッコいい。ドストエフスキーなんか読んでワーグナーでも聞いてる物理学者なんか、いいんじゃないか。
もひとつ言うと、湯川みたいに、勉強だけでなくスポーツや芸術もできるといい。頭でっかちでもなく、体でっかちでもなく。
かく言う僕は、理数が得意だったんで理系なのだが、ガチガチというわけではなく、小説や映画も大好きだ。
ところで、中国の政治のトップは理系なんだそうだ。胡錦涛国家主席は水利工学のようだし、温家宝首相は地質学とのことだ。昔の科挙の名残りなのか、科学立国を目指しているのかもしれない。
対して日本は、首相や大臣、各省庁のトップはだいたいが法学とか経済出身者だ。全部とは言わないけれど、医学部や工学部の出身者も半分くらいはいてもいい。その方が、バランスとれるんじゃないか。
しかし思うに、福山雅治みたいな教官は、ほとんどいないだろうと思う。やはり渡辺いっけいみたいなタイプが多いんじゃないだろうか。
〔写真は、allcinemaより〕