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エッセイとショートショートと―あちこち話が飛びますが

迷ったら理系へ

2008-10-26 09:33:21 | エッセイ
 
 映画『容疑者Xの献身』を見た。テレビと違って、最後ものすごく切ないものだった。石神役の堤真一は相変わらずうまかったし、靖子役の松雪泰子も良かった。フィクションながら、彼女と娘がその後どうなったのか、とても気になるところ。

 今回の事件では科学的なトリックはなかったが、ドラマで次々出てくるトリックには、毎回感心させられたもの。これって、理系であればより面白く感じられるんじゃないかと思う。
 つまり言いたいのは、若者には理系に進んでほしいということ。経済や法律もいいけれど、科学技術で世界と勝負するからには、理系のすそ野は広くないといけない。最近は理系志望が減っているそうだし、ノーベル賞をもっと獲るためにも、若者には是非。
 実際問題、いわゆるツブシが利く文系と違い、理系は専門的である分、食いっぱぐれは少ないんじゃないかと思う。

 理系男子への憧れを描いた『理系クン』という本が出ているそうだ。まだ立ち読みしていないが、「理系クンは浮気をしない」「理系クンはテレ屋さん」、そして「夫にするのに理想的?!」という売り文句だ。
 株や証券で儲けるのもいいけれど、誰が犯人で、動機は何なのか、そんなことどうでもいいと考える湯川学のような人間がもっと増えれば、日本はオトナの国になれるんじゃないか、と。

 ただ理系はオススメするものの、文系の知識もあるともっとカッコいい。ドストエフスキーなんか読んでワーグナーでも聞いてる物理学者なんか、いいんじゃないか。
 もひとつ言うと、湯川みたいに、勉強だけでなくスポーツや芸術もできるといい。頭でっかちでもなく、体でっかちでもなく。
 かく言う僕は、理数が得意だったんで理系なのだが、ガチガチというわけではなく、小説や映画も大好きだ。

 ところで、中国の政治のトップは理系なんだそうだ。胡錦涛国家主席は水利工学のようだし、温家宝首相は地質学とのことだ。昔の科挙の名残りなのか、科学立国を目指しているのかもしれない。
 対して日本は、首相や大臣、各省庁のトップはだいたいが法学とか経済出身者だ。全部とは言わないけれど、医学部や工学部の出身者も半分くらいはいてもいい。その方が、バランスとれるんじゃないか。

 しかし思うに、福山雅治みたいな教官は、ほとんどいないだろうと思う。やはり渡辺いっけいみたいなタイプが多いんじゃないだろうか。

〔写真は、allcinemaより〕

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健康法あれこれ

2008-10-19 08:22:50 | 実用
 
 体調不良というのは、だいたいが風邪かおなか壊すか、だろうと思います。これからだんだん寒くなってくることですし、基本的ながらいくつか健康法をまとめておきます。
 もちろん僕が全部考えたわけではなく、よく知られているものもあります。

1.鼻で息を吸う
 息を吐く時は口からでもいいが、吸う時は鼻から吸うこと。雑菌を捕捉してくれるし、鼻腔で空気が暖められるため、体への負担が少なくて済む。口を開けて呼吸している人は、おそらく風邪ひきやすいと思う。口は閉じて(口の中の空間はできるだけ小さく)、温かく湿らせておくのが、ノドには一番いい。
 ついでながら、白人の鼻が高いのは、比較的寒い地方に住んできたため、冷たい外気をより暖めることができるよう、空気の通り道が細く長くなったんだそうだ。

2.洟をよくかむ
 洟(鼻水)をすすってゴクリと飲み込んでしまうのは、その中に含まれる雑菌やウイルスを体の中に入れてしまうことになる。ノドや気管支にも悪いし、おなかにも良くない(風邪からおなか壊すことはよくある)。授業中だろうが会議中だろうが、洟はティッシュできちんとかむのがいい。
 そもそも鼻水ってのは、雑菌等を捉えて外に出すのがその目的なのだから、中に入れるものではない。それは痰も同じ。できるだけ外に出す方がいい。(とは言ってもペッペ吐いてはいけない)

3.手を洗う
 洗うとはいっても、よほど汚れていたり油ベタベタしていたりしなければ、石鹸は使う必要はない。体の表面には〈常在菌〉という皮膚を守っている菌がいるし、皮脂というアブラ分もある。それらは必要なものだから、わざわざ石鹸なんかで落とさなくてもいい。流水で充分。
 手洗いソープのCMで、菌がこんなに少なくなりました、なんていう絵が出てくる時があるが、それって大事な常在菌や皮脂もなくなっているってことだからね。

4.朝晩水を飲む
 寝る前、そして起きたあとに、水を飲む。コップで1~2杯分だが、冷たい時はゆっくりと。
 ひと晩で500mLほどの水分が体から出て行くそうなので、血液ドロドロにならないためにも、寝る前は必要(脳梗塞や心筋梗塞の予防になる)。多少の満腹感も得られるので、眠りにも就きやすい。
 朝は朝で、失われた水分を補給するとともに、胃腸を刺激することでお通じが良くなるはず(特に女性にはいいかも)。

 以上、お役に立ちますれば。
 蛇足ながら、おととしの1月に「冬季下痢症にはヨーグルト」、去年1月には「カゼの治し方」という一文を載せたところ、それぞれGoogle検索で上位にランクされているようです。少しは役に立っているんだろうなあ。

 〔写真は、三重県「なばなの里」にて〕

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映画『アクロス・ザ・ユニバース』

2008-10-12 08:10:48 | エッセイ
 
 ビートルズの曲だけで構成されたミュージカル。マイナーな作品ながら、なかなか面白かったので紹介しておく。

 主人公はリバプール出身のジュードという、ポール・マッカートニーによく似た青年。アメリカで出会ったルーシーやプルーデンスとともに、反戦運動や芸術、そして恋に悩む姿を描くもの。
 名前からも想像できるように、「ヘイ・ジュード」や「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」「ディア・プルーデンス」が歌われる。また、冒頭の給料支給係の男が64歳だったり(これは言うまでもなく「ホェン・アイム・シックスティフォー」を意識したもの)、女の子がバスルームの窓から入ってきたり(She came in through the bathroom window...)、〈マジカル・ミステリー・ツアー〉みたいな小旅行に出掛けたり、その到着地が〈LSD教団〉だったり、ビートルズのエピソードがあちこち散りばめられていて、ファンなら楽しめることと思う。
 そして最後は、ニューヨークのビルの屋上でのライブ。これまたおなじみの光景。
 ただ、ベトナム戦争時代の話なので、同じ歌でも少々厭世的な意味で歌われていることが多かったし、そういう歌が選ばれていたように思う。ビートルズなら他にも「オブラディ・オブラダ」とか「ハロー・グッバイ」とか明るい歌はたくさんあるのに。
 そうそう、女の子が歌う「抱きしめたい」もいい感じだった。

 ところで、ビートルズ4人のメンバーのうち、あまりにカリスマ的だったジョンは銃殺され(この時はホントにショックだった)、ひ弱そうだったジョージは病死と、何となく亡くなり方や亡くなる順番がそのキャラクターに合っているように感じる。
 残るはポールとリンゴだが、リンダとの死別や離婚裁判でお疲れ気味のポールを差し置いて、最も楽天的そうなリンゴが一番長生きするんじゃないかと思っている。

 また、どんなに偉大なメンバー、どんなに偉大なバンドであっても、時代の流れには逆らえないのだとつくづく思う。彼らの場合、60年代の空気に影響を与え与えられていたのは間違いのないところ。ただし今も聞き続けられているように、普遍性ももちろん持ち合わせている(字幕で歌詞を見ながら、あ、こんな意味だったのか、と改めて気付かされた次第)。
 そして思う。その時その時に感じたこと、考えたことを書くブログではあるが、できるだけ一般化した内容にしたいと思っている。事件・事故の起きたその時点では理解できても、数年あるいは何十年か経って読み返された時に理解されないんじゃ、そこでその文章は〈死んで〉いることになる。いつ、誰が読んでも腑に落ちるような文章、というのが理想なんだろうと…。

 映画は数え切れないほど見ているが、『アクロス・ザ・ユニバース』は佳作だった。そして次に見たいのは、これまたマイナーながら『僕らのミライへ逆回転』という作品。
 

〔写真は、allcinemaより〕

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