思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

人間の性とは?

2006-04-24 | 恋知(哲学)

人間の性・SEXとは、単に生理的=肉体的なものではありません。
観念=意識の奥深くから湧き上がる欲望=憧れです。
だから、ほんとうの性とは、観念の震え=悦びなのです。
身体のすべてを使っての深い交歓がめがけるものは、意識の内奥の満足=充足です。
心と頭と体の融合によってもたらされる快楽=深い悦びは、人間のみに与えられた至高のよきものです。
なかなか実現しませんが、恋愛における慈しみ・憧れ・欲望との深い一致(幸せの極み)は、この世の宝です。
繰り返します。生理的な性とは、動物の性に過ぎません。人間の性とは精神の欲望であり、身体が目がけるのは、これ以上はない心の快楽=悦び=エロースなのです。

即物的な性、
ポルノでしかない性、
型はまりの紋切り型の性、
性に無関心を装う自己欺瞞、
共働としての悦びの少ない不毛な性・・・・・・・
歪んだ性は、豊かな人間性を育てません。
「私」という中心をもてず、集団に同調して生き、権威に従い、上位者に怯える非・自立的な弱い精神は、上記した歪んだ性意識と性行為にその深因があることを、若い人たちには、とくによく知ってもらいたいと思います。
逆に、内容の豊かな性の交歓は、個人の精神的自立を支えます。昔から上意下達の思想をもつ人(権力者に多い)が「性」を邪なものとみなすのは、何よりも個人の精神的自立を恐れるからなのです。互いの悦びを深めるよき性の追求は、優しさをもった豊かな人間性を育む基本です。

武田康弘


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