思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

経済格差は、国を滅ぼします。

2006-04-25 | 社会思想

言うまでもなく、人間の生きる意味は、経済的勝者になることではありません。
経済力を持つことは、充実した生活をする手段としてどうしても必要です。
しかし、それは何かをする手段であり、目的ではないはずです。人間の生きる意味は、自他の生のよろこびを広げ深めるところにあり、それは、心の深い満足と結びつく営みです。他者への優越という虚妄とは違います。

お金儲けは、おおいに結構です。しかし、儲けは、それを生み出した社会に還元しなければいけません。これは普遍的な道徳のはずです。それがよく果たされなければ、社会は荒廃し、人の心は潤いを失って砂漠化してしまいます。経済格差を広げるような思想・政策・法律は、基本道徳を踏みにじる根源悪であり、断じて認めてはなりません。

おおいに儲けた人間は、おおいに還元する。多額の税金を払うのは、当然です。多く納めるのは、多く社会貢献をすることです。ただしそのためには、今の官僚の裁量による非能率な税金の使い方を根本的に改めなくてはなりませんし、教育や福祉や環境などの市民活動や芸術活動への寄付金を収入から差し引き、免税するという税法の改正も必要です。

個々人の努力が、新たな、よろこびの多い文化を生み出すのに向かうこと。知識や財産や履歴を《所有》する競争から、人間とその環境や物の《存在》の魅力を深めることに主要な関心を移すことは、現代社会最大の課題なのです。経済格差を縮めるのは、そのための基本条件であり、政治の役割は格差の是正にあるのです。まったく国情の違うアメリカに追随する愚かな小泉自民党政策を転換しなければ、日本社会は元からダメになってしまうでしょう。

武田康弘



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