思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

オーディオ体験談-② 一応、完結です。

2009-09-04 | 趣味

古林さん、
「コード」について悩まれているご様子ですので、少し書きます。

わたしが高校生の時(1960年代後半)、親友と二人で「コード」に着目していろいろ実験していたころは、コードで音が変わるという認識は世間にはまだなく、自分でつくる(数本をパラレルにしたり、三つ編みのようによじってみたり、平行線を二本にし離してみたり、・・・)しかなかったのですが、今は、三菱や日立や古川などの大企業から家内工業や個人による手作りまで膨大な製品が出ています。輸入品の数もすごくてとても全体を把握することはできません。同一製品でも超低温処理をして物性を変えた製品が販売会社から売り出されたりもしています。
こうした「コード」についての情報は、まさに新興宗教のようで、「いままでの音がウソのよう」「ついに出会った究極の音」「オーディオ界の革命」「寄せられた感激の声の数々」「10倍高い製品に匹敵」・・・という具合です(笑)。
コード選択の目当ては、音の傾向=硬・柔、太・細、緩やか・締まる・・・・・・を知り(季刊「オーディオアクセサリー」などで繰り返しテストをしています。また、熱心な販売員は、毎日のように新製品をチェックしています)自分の装置に合いそうなものをカンで探るわけですが、アンプとスピーカーの相性で古林さんも体験されたようになかなか大変です。
ある装置で「よい」という結果が出ても、他の装置には合わない、また、人による聴き方の違いも大きく、まったく正反対の結論に至ることもあります。利酒と同じで、音楽とオーディオ体験が豊富になれば、一定の一致には達しますし、合う・合わないの判断は出来ますが、「好み」のレベルになれば、バラバラです。
だから、コード類に限らずオーディオ製品は、聴く人と聴き方と環境に合ったものを探る、そのために「情報」を見る(=傾向を知る)というようにする他なく、無条件に「よい」という製品はないのです。 「絶対」はないし、つくれない。しかし、「一つのよい」はあるし、つくれる。これは、哲学=人間の生と同じですね(笑)。
武田

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古林です。

個人の嗜好と機材同士との相性を考慮しないと良し悪しの意味自体が成立しないこと、重々わかります。
その昔、オーディオにはまらなかった(敢えて深入りしなかった)理由は、単にお金と時間だけの問題ではなくて、オタク(病気)の世界と隣り合わせのように見えて気持ち悪く感じたせいもあります(笑)。当時はまだケーブル云々まで行ってませんでしたけど。
いずれにしても、より良いを追求する世界とマニア・オタクの世界とは表面的な現象としては近いところにあって紛らわしいですね。

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古林さん

「オタク(病気)の世界と隣り合わせのように見えて気持ち悪く感じたせいも
あります(笑)。」(古林)

は、オーデイオに限らずです。
哲学も、法学などの個別学問の学者もオタクが多いですよね。

①何のために、②何を目がけて、③どのような方法で、ということが、明晰に意識され、かつ開かれたものになっていないと、なんでもオタクになります。今の日本で「受験秀才」は、ほとんど全員オタク(=テストオタク)ではないでしょうか?(笑)。

オーディオは、感性が試される総合的な技術のため、特定の「理論」によって図ることが出来ず、実践的な試行錯誤と豊かな感性が求められます。ところが、「理論」による決着を求めがちな男性がオーディオの主役なために、「一つのよい」を求めるのではなく、「絶対的なよい」を求めがちで、それが、袋小路に入る原因のように思えます。無意識の底意として、「理論」を詰めれば分かる(解明できる)はずだ、という想念に縛られていると、どのような分野でもオタクになりますね。

武田

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染谷裕太です。

オーディオも大きな世界の中の一つのものだと分からずに
「オーディオ」という世界の中だけで重箱の隅をつつくような事ばかりしているのがオタクってことですかね。学者の世界もそうですね。


ベルリオーズ鳴らしてみました。
前から感じていたことですがベルリオーズの音楽は音楽じゃないみたいですね。
初めて聴いた時は自分が今まで聴いてきた音楽とは全然違うので戸惑いました。音楽って同じような旋律を何度も繰り返すので次がなんとなく分かって、だから無意識にメロディーを追いかけながら聴いていたのですが、ベルリオーズの音楽を初めて聴いた時は、どんなメロディーでどうなっていくのかが全然想像できなくて、「なんて聴き難いんだ」とさえ思いました。
でもタケセンが以前ブログに書いた聴き方のコツのとおりに聴いてみたら、ちゃんと音楽が入ってきたので、あれはちょっと目から鱗でした。

で、良いオーディオでベルリオーズ聴いてみてですが、音楽を聴いているというよりも、ベルリオーズの頭の中というか心の中というか、を見ているような体験しているような、なんとも言葉で言い難い感覚で、音楽なのにやたらと生々しく感じました。なんかもう他の作曲家とは頭の構造が根本的に違うと思います。なんであんな曲を作れるのか意味が分からんです(笑)

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古林です。
オーディオ体験談の続きです。

昨晩、私のピエガTS5を中心としたオーディオ・システムの音のチェックをしに
タケセンが拙宅へ。
二人で一通り、音を確認しながら、
『やっぱりこの組み合わせは結構いい音出してるよね。でもフル・オーケストラ聴くと(タケセン宅のシステムとの比較の問題だけど)ダイナミック・レンジの狭さを感じるねぇ。』
などと感想をたれていたのでした。

それから、
『ちょっとこの電源ケーブルに変えてみましょう。』
タケセンが持ち出したるは、タケセン宅で利用中の電源ケーブル。
恐ろしく頑強そうなごっついケーブルです。
ケーブル変えただけで音が変わることについてはもういくつか経験済みなのでさほど驚くようなことはない、と思っていたのでした。
が、これはちょっと!! ちょっとこれはないでしょう。
これまでは音の傾向が強調されるとか改善されるとかいうものでだったのですが、これは違います。全体に音がしっかりし、クリーンになり、楽器が生の楽器として聞こえ、人間の声(ヴォーカル)が生の声として聞こえてくるのです。
音の傾向はそのままに、音の質がまったく変わってしまうというあきれる経験をしてしまいました。
なんだよ!ケーブル一本でシステム全体の音の質が変わってしまうって?
参りました。聞かなけりゃ良かった(笑)。ケーブル一本に5万円?信じらんない!
と言っていた私がいずれ、そのような狂気にはまること間違いなさそうなのです。
ちなみに、いずれ買うことになりそうなこの電源ケーブルはジャーマンフィジックス(ドイツの独創的なスピーカーメーカー)製だそうです。

さて、おしまいに、スピーカーの下に御影石や大理石などを置いてしっかりさせると、さらに音がしっかり出るとのこと。今日、ジョイフル・ホンダで早速一枚750円の御影石を買ってきました。
石の下に敷くラバーマットを東急ハンズのネットで調べたのですが、よくわからずタケセンに相談したところ、タケセン手持ちのものを持ってきてくれたので、それを敷いて音を再生してみました。

今までこもっていたと思われる音が表に出てきた感じです。
たとえば、低域の音圧が体で感じられるようになりました。中域や高域でもこごもっていた音が出るように感じられ、結果的には音全体に厚みが出て立体感のある音に変わったように思います。

次はオーディオ・ケーブルをもう一度トライしてみようかと思ってます。

さーて、裕太君のほうはどうなってますでしょうかね。
お休みになったらいろいろいじってみてください。

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こんばんは、染谷です。

一昨日の日曜日、タケセンにスピーカーの置き方、ケーブルの接続の仕方などなど、色々と教わって現状の中で一応完成となりました。
で、感想ですが、とりあえずつないだだけだった一昨昨日まで状態と比べて明らかに良くなって、ベッタリしていた音がフワッと広がったように感じました。ケーブル一本、置き方一つで音は変わると聞いていましたが、基本を踏まえてちゃんとセッティングするとここまで変わってしまうとは。驚きです。

もう一つ驚いたのは電源ケーブル。古林さんの体験談その3に出てきたジャーマンフィジックスの電源ケーブルです。タケセンが持ってきてくれたので、それをつないで聴いた瞬間「え?ウソ?」と思いました。音が高級になって、オーディオの格があがったか、CDの演奏がもの凄く上手くなったのではないかと思うほど、ハッキリ違いました。雑音が消えたと言ったらいいのかな。聞こえなくてもいい部分が奥に引っ込んで、聴こえるべき部分の輪郭がハッキリとして、しかも高級な音で聴こえてくる。
値段が5万と聞いた時、「あぁやっぱり」という思いと同時に、「思ったより安い」とも思いました。見るからに高そうでオートバイに使うワイヤー錠なみのゴツさですが、これだけ音に影響することを考えれば、安いと思ってしまいます。これは「耳に毒だから」と言いながらも持ってきて聞かせてくれたタケセンにしてやられました(笑)
でもまぁ、しばらくはそのままで聴くと思います。その前にアンプ、CDプレーヤーを置く台と、スピーカー台のぐらつきをなんとかしないといけないので。

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裕太君

少し前の「常識」を持った人がこの音を聴いたら仰天!!するでしょうよ。
リビングが、まるでミニコンサートホールに早変わり!という感じでしたね。
朗々と歌う第九には聴きほれてしまいますが、このような音で音楽が鳴っていたら、み~んな音楽好きになります(笑)。
オーディオも大きく進歩して、よい時代になったもの。メイド イン ジャパンの素晴らしいスピーカー(フォステクス)を活かす組む合わせができて、わたしもホッとしています。ブラボー!!!

タケセン
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なお、組み合わせは、アンプとSACDプレーヤーは、デノンの1500です。

(コンパクトにまとめたい方は、同じくデノンのプレーヤーアンプ,RCD―CX1がいいと思います。なお、グレートを更に上げようと思う方は、プレーヤーを1650にされるとよいでしょう)

アンプとプレーヤーをつなぐピンコードは、一般的でどこでも入手可能なワイヤーワールド(1万円程度)を使用。
SPコードは、メートル1000円くらいのものでOK(締まり過ぎないもの)。電源コードは一番影響しますが、全体の価格を考慮して2万円程度のもの(ただしプレーヤーとアンプ用両方ですから4万円くらい)。

以上すべてで23万円くらいです。
なお、フォステクスよりこのスピーカー用のウーファーシステムが出ますが、これを加えると鬼に金棒ではないかと思われます。

タケセン=武田康弘



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