思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

ドヴォルザーク「新世界」の超がつく名演に出会い、興奮しています。 ロビン・ティチアーティ指揮

2018-05-04 | 芸術

 ビックリ! ドヴォルザーク「新世界」の超がつく名演に出会い、興奮しています。

 指揮者の名前は、まだ覚えられないので、表記を見ると、ロビン・ティチアーティ。
輸入盤ですが、カバーに日本語の解説があります。細かい文字で読みにくいですが、ルーペで拡大して読むと、イギリス人で1983年生まれとあります。10代から指揮者として活動していて、来日もしているとのこと。

 なんと、オケは、バンベルク交響楽団(ドイツ)で、2013年12月、ちょうど30歳の時の録音です。現代、世界最高の指揮者の一人・ジョナサン・ノットが音楽監督・常任指揮者の時の録音ということになります。同じイギリス人ですから、20歳程度年上のノットが彼の才能を買っているのは間違いないでしょう。

 わたしが最高のマーラーと思っているノット・バンベルクによるSACDの交響曲全集がつくられた直後の演奏ですが、ノットが指揮する時とバンベルク響の音が違います。録音はTUDORで、録音場所も企画も全く同じですので、この違いは、指揮者によるものでしょう。

 ノットのどちらかと言えばドイツ的な(そこにイギリス経験論的なよさが加味されている)音、音づくりとは異なり、まるで「地中海的な」と言いたくなる明るさ・美しさがあるのです。しなやかさ伸びやかさがあり、音は透明です。イギリスとかドイツではなく、イタリア的な明るさ、カンタービレ、を感じさせます。

 このドヴォルザークは、チェコの国民性とか民族性を感じさせるものではなく、とても新鮮な解釈で、まさしく新世界。音の情報量が多く横溢するかのようですが、それが混濁とは無縁で、実にすっきりとして気持ちよく、生理的な快感が得られます。旋律の出だしや歌い回しは、まるで劇音楽のようにドラマティックでウキウキしてしまいます。明るく美しく、濃やかですが、迫力も凄い。

 どこもかしこも自信に溢れ、堂々としています。とても30歳の指揮者の演奏とは思えませんが、ピチピチと新鮮なのはやはり30歳です。レコード芸術の「モーッアルトの演奏史」で高評価されているのを見て、Amazonで検索して出会ったCDですが、見事な演奏に嬉しさいっぱい。付録のAMERIKAN SUITEも素敵。

 
 それにしてもイギリスはさすがに世界中に紛争の種をまき、悪事を積み重ねてきただけのことはあり(笑・困)、素晴らしい指揮者が続出します。芸術で活躍してもらい、罪滅ぼしですね。ロビン・ティチアーティ、次回の来日公演には必ず行こうと決めました。

 

 

武田康弘

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