思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

植木等、ジェリー・リー・ルイス、柳兼子、クルレンツィス、 なんじゃ? 深い共通点があります。身体の内部から湧出

2019-01-06 | 芸術

 

 1960年代ずっと爆発を続けた植木等の底抜けに明るく強い面白歌。

 1950年代から60年代にかけてスキャンダルに見舞われるまでは、アメリカNo1(プレスリーも抜き)のロックピアニスト&歌手のジェリー・リー・ルイス、彼の強烈な超絶技巧のピアノと過激なまでの歌は一度聴くと虜になる。

 戦前、2番がいない日本最高のアルト歌手であった柳兼子(白樺派ー柳宗悦の妻)は、90歳過ぎても自ら歌い、弟子たちの指導を続けた驚くべき女性。

 いま、世界で最も光輝く指揮者=革命家、クラシック音楽なのにロックコンサートのような熱狂をロシアや欧州全土で巻き起こしているクルレンツィス。わたしは彼を「古代アテネからの使者」と名付けたが、来月2月に初来日。

 みな音楽家とはいえ、一見、関係なさそうな四人ですが、昨日、「大学クラス」で植木等の歌をはじめて聞いた32才の染谷裕太君(長年の教え子で白樺同人、自転車で世界を旅した)は、「ジェリー・リー・ルイスに似ている」と言いました。そして、今日、百代さん(かみさん)は、暮れにサントリーホールで聞いたノット・東響のモーツァルト「フィガロの結婚」と比べると言い、クルレンツィスの同曲をCDで聞きながら、「自然ね!」と言い、「歌っている人がみな兼子さんのような歌い方」と言いました。

うん、そうだね~ です。

 村一番の豪傑で、相撲は誰にも負けたことのないお兄さんを一方的に負かすまでになった(数年間、真浄寺での修行=肉体労働をした後)植木等は(映像は紅白でのメドレー)その強い体幹から、よく通る明るく強い声で歌いました。戦争中に「反戦」を言い、特高警察の拷問を受けても平然としていた親父さん(三重県の浄土真宗の寺の住職)ゆずりの精神が、押しだしの強い、聴く者の内にまで届く歌唱を可能にしたと言えます。

 ロックの神様、最も危険は男(若い女性が失神してしまう)といわれたルイスの独学でのピアノと歌の過激なまでの強さ=魅力は、一度、見、聞けば、誰でも納得ですが、身体の中から恐ろしいまでに弾け出すリズム(映像は20代のはじめには何度聞いても唖然となります。

 賛辞を言い出したらキリがない白樺の柳兼子の歌と人生映像はNHK、大島久子さんのお話もですが、彼女は、ドイツリートを歌う時も、和服できちんと帯を締め、身体をブラさずに声帯に頼らず、身体の奥深くから声を出し、眉間から断固たる意思を押しだすかのように歌いました。

 とんでもない次元の指揮者=クルレンツィス映像は2017年楽大学出のソフィスティケートされた音楽を否定し(ただのジュースに過ぎない!)、観念優先の音楽のツマラナサを自身が組織したオケと合唱団(ムジカ エテルナ)の新次元の演奏で、証明し続けています (日本でもCDは2年連続の「レコードアカデミー賞」の大賞となる)。本拠地のシベリアのペルミを始め、ドイツやオーストリアなど欧州各地で聴衆総立ち、時に「暴動」と見まがう歓呼で迎えられています。昨年秋からは南西ドイツ交響楽団のトップも務めていますが、ここでもまた熱狂を巻き起こしています映像はマーラー3番。彼は、身体全体で音楽イデーを楽員に伝えます。踊り、歌い、足踏みしながら。見事に鍛えられた身体は、バネのようですが、その身体をふるに用い、言葉は豊富ですが、身体から湧き出るものが土台です。

 そう、みな観念優先のひ弱ではなく、身体の中から、内側から音楽が溢れだすのです。だから、ほんとうの意味で「自然」で「強靭」なのです。身体の呼吸、躍動、リズムがよいので、まっすぐに深くまで届きます。す ば ら し い。
 現代の閉塞感ーインチキな騙しの政治、人々の自由、こどもの溌剌を抑え込む根元悪とは対極にある音楽たちを愛でようではありませんか。ジャンルを超えて。

(クリックでそれぞれのユーチューブに飛びます。)


武田康弘

 

 

 

 


 

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