思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

NHKあさイチで痛烈な検察批判!元厚労省事務次官・村木厚子さんがゲスト。行政監視では全政党が憤ったこと。

2019-01-18 | 社会批評

 

 厚労省の村木厚子さんが大阪地検特捜部に逮捕、起訴されたのは、
2010年、わたしが、参議院行政監視委員会調査室の客員調査員に任命され、職員の皆さんにソクラテスによるフィロソフィーの定義と日本国憲法の哲学的土台についての講義(問答的授業)をしていた時のことでした。

 この時、それまでは閑古鳥が鳴くと言われたほど「仕事」が少なかった参議院の行政監視委員会とそれを支える官の組織である行政監視委員会調査室は、故・山下栄一委員長(公明党)の情熱により、どこよりも忙しい場に変わっていました。猛烈なまでの勢いで行政機関(官庁とその出先機関)への視察を行ったのです。それは『行政監視と視察』(山下栄一著)として一冊の本になっています。

 村木さんが釈放された後、参議院の行政監視委員会のメンバーは、大阪地検に行政監視に入り、村木さんが取り調べをうけていた部屋や拘留されていた部屋を見て、自民党の委員も共産党の委員も全政党の委員はショックを受け、憤りました。そこは、まるで戦前の映画にでも出てくるような殺伐としたスペースでした。拘留されていた部屋には冷房も暖房もありません。取り調べ室はゾッとするような威圧的な空間で、固く小さな椅子に長時間座らされて取り調べを受けていたことが分かりました。実際に現場を見ると、言葉では言い表せない現実が肌身で感じられ、政党の区別なく、参加したすべての委員が強い憤りの念をもちました。

 ただし、国会(国権の最高機関=憲法41条)からの行政の監視というもっとも大切な仕事は、それを支える職員が数名しかいなく、かつ強制力のある立ち入り調査の権限等がないために極めて不十分な監視しかできないのが現状です。それでも、視察を続ければそれなりの効果はあるのですが、委員長が交代した後は、だんだんと減ってしまったようで残念です。


 前ふりが長くなりましたが、今朝、偶然に見たNHKのあさイチという番組に、村木厚子さんが出演しているのを見て驚きました。実は、昨晩寝る前に、「ああ、そうだ、検察庁(特捜検察)への批判に、村木さん事件のことを書こう」と考えていたからです。それが、朝テレビに出て、事件のことを話ていたからです。

 村木さん自身の口から上記の検察での取り調べの様子や、自白(してもないことを自白)するように誘導された(=執行猶予がつくから認めなさいと)ことも話されました。拘留がいつ終わるのか、先が見えないことが一番辛かったと話されていましたが、この恐怖感から多くの人は、本意でないことを「自白」する(検察官のつくったストーリーに従う)のです。村木さんは、視聴者からの問いに応えて、ゴーンの拘留の長さへの批判もにじませ、不当と思うことには皆が声を上げなければ、と言いました。

 余談ですが、わたしの亡父も村木さんと同じ労働省勤務でした。なにか親近感が湧きました。それにしても検察庁という役所はなんとかしないといけません。「疑わしきは罰する」という憲法違反の恐ろしい思想者の集まりでは、民主制(政)が壊されます。まるで検察独裁のような日本国(法務省も検察官が支配している)を変えないと、大変です。


武田康弘(元参議院行政監視委員会調査室・客員調査員

以下は、大島九州男さん(参議院議員で行政監視委員)のコメントです。
「実はこの村木さんを呼んで参議院の行政監視委員会を、開催させて頂いたのは、私が行政監視委員会の筆頭理事の時でした!

最高検察庁の視察も行い、徹底した調査を行いました!」

※大島議員は、国会議員として立派だと思います。武田康弘




追記
以下は、にこにこニュースより転写



 18日放送のNHKあさイチ」(月〜金曜、午前8時15分から)に、郵便不正事件で誤認逮捕された元厚労省事務次官の村木厚子氏が生出演。ツイッターのトレンド入りするなど、ネットで大反響があった。

 村木氏は「結婚・出産しても働き続けたい」と男女雇用機会均等法が施行される8年前に労働省に入省。しかし2009年、全く身に覚えのない「郵便の割引制度をめぐりうその証明書が発行された事件」で逮捕・起訴され、その後、無罪が確定。その勾留期間は、164日にも及んだ。極限状態の村木氏を支えたのは、家族と友人からの支援、何よりも娘への思いだったという。37年半の公務員生活では、子連れで地方への赴任も経験し、家事・育児と仕事はどのように両立してきたのかを放送した。

 これにネットでは「村木厚子氏が『役所の隠蔽は、悪いことをしようとしてやっているというより、何らかの圧力がかかっていたり、ひずみが背景にある場合が多い。それをなくすためには、外の目を入れてプロセスオープンにして隠せないようにする必要がある』とコメントしていたが同感」「皆さん、自分が逮捕されるとは思っていない。でも、私のように間違いで逮捕されることもある。そういう気持ちでニュースを見てほしい。この言葉、すごい。」「逮捕されて辛い目に遭ったのに、誰も恨んでないし人のせいにしてない。家族との絆も深くて、信頼関係が強くて幸せそう。人間、考え方を変えればいくらでも幸せになれるし、不幸にもなれる」と感動の声が相次いだ。

 また、朝から検察批判を行った同番組について、「ディレクター勇気ある」との声も。脳科学者の茂木健一郎氏も自身のツイッターを更新し、「NHKあさイチ、 村木厚子さんが出ているとトレンドで知る。 <珍しく>グッドジョブ! 」と反応。「いつもは、自局の番宣がらみか、『芸能村』の内輪話しかしないのに(笑) このような社会性のあるキャスティングを少なくとも30%くらいにしたら、NHKの評価も上がると思うよ」とつづった。

 茂木氏の言う通り、NHKの“株”も上がった?

 

 

 

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