人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

神保町ー風と懐かしさの街

2019-12-29 10:31:02 | 雑記
私は暇さえあれば、東京近辺の色んな街に行っているのですが、もっとも頻繁に訪れるのは、何と言っても神田神保町です。
この街は古書街があることで、東京人ならずとも有名ですね。
都内の古書店は、近年軒並み閉店の憂き目にあっている中で、ここだけは健在で、まるで何十年前から時間がとまってしまったようです。
老舗も多く、店構えもあまり変わってません。
つまりはその周辺を歩いているだけで懐かしい気分になれるのです。
だけど、それだけじゃない...古本自体も懐かしいものですが、これも昭和の街の名物、中古レコード屋さんも有名なとこは"現存"しています。
又、ふっるい看板がそのままの洋食屋さんもある...ここには昭和の伝説が生きているのですi
私がよくここを訪れるのは、読書家を自認しているからであるのは言うまでもありませんが、私が頻繁に通い始めた大学3年の、昭和52年頃はそれまで本一冊まともに読んだことも無いような人間なのでした。
この頃はもっぱらデキシーとかスイングとかのオールド.ジャズに凝っていて、水道橋の駅近くにあった、"ダンモ"に支配されたジャズ喫茶(これも昭和の名物)にあって、それら専門の得難い店、その名も"Swing"で聴いて気に入った音盤を求めて、神保町よりに歩いて"Tレコード"に行ったりしたものでした。
こないだ昔の血が騒いだのか、消えたはずが場所を一寸移動してやってたその店で、その当時、オムニバス盤に二曲あったのを聴いて大感激した、1920年代のニューオーリンズの楽団、パパ.セレスティンのタクシード.オーケストラの単独レコードをつい衝動買いしてしまいました。(毎度マニアックな話でスンマセンi)
いや、それにしても懐かしい...なんつっても私の生まれるずっと以前の音なのですが...古い音楽って陽気な曲でもどうしてこう物悲しいんだろう...
おっと、肝心の本についても、思えばベルジャーエフ、手島郁郎、小池辰雄、玉城康四郎...私の人生の教師の先生方の本も随分とここで出会ったものでした。
一頃は買ったばかしの本をやはり水道橋までの間にある、"白十字"という、これ又レトロな佇まいの名曲喫茶店(あったi)で読むというのが、一種の儀式みたいにしていたものです。
この界隈には、私の中ではいつも風が吹いている、というイメージがあります。
長く関西に行ってた間でも、帰省の折りには必ずと言っていいほど訪れていましたが、大体それは年の暮れであり、特に風で落ち葉が舞っていて、それがどこか憂愁を誘う街の風情を作っているという感じが強くあります。
風、プノイマは、又"霊なる息吹"を呼び覚ますもの...そう、ここは霊なるものと出会える街なのですi
ワクワクしながら上記の本を読み耽っている時は、常に現在にある、という感じになり、散在しているような過去のそうした時々が一つにつながったようになります。
この街には、私の中に古いものとそれを感じさせない常に新しいものとが交錯しているのです。
コメント
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