簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

四国遍路 25番札所・津照寺

2010-06-09 | Weblog
旧道を抜け、再び国道55号に合流する。
最御崎寺から25番の津照寺までは7キロ弱、2時間ほどの道のりだ。
昨日とは違って今度は左手に海が広がって見える。



1時間ほどで“海の駅 むろと”に到着、ここで休憩、昼食を摂る。
尾崎の女将が“お接待だ”と言って出掛け渡してくれた心づくしのお弁当だ。







おにぎりに、バナナ、みかん、乳酸飲料、それに僅かばかりのお菓子が添えられていた。
栄養バランスを考えた女将の心遣いが嬉しい。

変哲も無い国道を更に40分ほど歩くと、左手に室津港が見えてくる。
土佐山之内藩の家老野中兼山が苦労をして改修した港らしい。
港を開くにあたり、兼山の部下、普請奉行の一木権兵衛は人柱になったと言う。
港はそんな悲しい話を秘め、エメラルド色の水を湛えている。



そんな港の先、広い道路を隔てた反対側に何軒かのお店が連なり小さな門前町が見える。
どうやら25番札所・津照寺に着いたようだ。

土地の人から“津寺”と親しまれている寺は、山門を入るとすぐ右の平地に大師堂と
納経所がある。
足が痛い身にはここだけでお参りが済めば有りがたいが、この場所だけが境内ではない。
正面に延びる120段余りの石段の先に本堂はある。



足の痛さを堪えながら手摺に掴まりゆっくりゆっくり石段を登ると、僅かばかりの平地に、
小さな本堂があった。
お参りを済ませ、振り返ると、木立の間から眼下に広がる室戸の町並みと青い海が見える。
茂りすぎて若干視界は悪いが素晴らしい眺めだ。
心地良い風が、そっと頬をなぜていく。



これはきっと、痛い足を我慢してここまで登ってきたご褒美だ。(続)



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