簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

四国遍路 ママチャリ遍路

2010-06-25 | Weblog
神峯寺からの下り道の途中、自転車を押して登ってくる青年と出会う。
聞けば東京から1週間ほどかけて来たと言う。
フェリーで四国に入り、順打ちで八十八箇所を廻り、その後東京に戻るのだと言う。



「この自転車で・・?」と、馬鹿な事を聞いてしまった。
まさかとは思ったが、目の前に自転車を押す青年が要るのだから紛れも無くその通りで
あるから驚きだ。



「学生さん?」と聞くと「いや、普段はトラックの運転手をしている。休みを取ってきた」
と言う。
「これから登りは益々きつくなるから・・自転車を置いて登ったら?」と勧めて見ると
「帰りはこの方が楽だから・・」と屈託もなく笑って答えた。
成る程その通りだ。
この坂なら自動車程のスピードで駆け下りてしまうだろう。

「結構自動車、多いから気をつけて」
「頑張って!」と励ます。
疲れている様子も見受けられない青年は、「がんばります」と元気に力強く笑顔で答えた。

ねじり鉢巻に、この寒いのに半そでのシャツ一枚。
前籠に荷物を満載した赤い“ママチャリ”を再び押しながら、坂を登って行った。

幸い今は雨も止んでいる。
後姿を見送りながら「若いねぇ~」「元気が良いね」と二人で感嘆しきり。
それに比べ、我々の足取りの重いこと。



1時間ほどで山を下り、土佐くろしお鉄道の高架を潜る頃、雨はまた降り出していた。
キャンセルした東谷の民宿を横に見ながら、唐浜駅に向う。



一日予定を早めた宿は野市にある。
ここから電車に乗れば40分ほどで到着する筈だ。(続)


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