簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

枯山水と池泉式 (JR乗り潰しの旅)

2012-03-30 | Weblog
 この武家屋敷群の多くの庭が、植え込みと石組で表現する枯山水式の庭園である
のに対し、通りの西麓にある森邸だけが、石組みの池に水を湛えた池泉式の庭園だ。



 そんな中にあって東麓の平山邸の庭は、石組みが一つも無く、サツキとイヌマキの
大刈り込みだけで表現された珍しい庭園である。
 座敷の前の縁側に腰をおろし庭を眺めていると、この屋のご当主が寄って来られ、
お話を窺う事が出来た。



 「この庭は造られた250年前からその姿を変える事も無く、代々受け継いできた」。
「右手に見える母が岳の山裾が、そのまま刈り込まれたイヌマキに引き継がれ、借景
と庭が一体となって大きな峯を表している」「花が終わった直後にも刈り込みを行ってい
る」などと教えて頂いた。何ともスケールの大きな庭である。





 パンフレットの説明を読みながら一つ一つの庭園を見ていると、どの庭にも作庭者の
思想が込められていて、それぞれの庭の規模は決して大きくはないが、各地の名寺の
庭園にも負けない趣、造庭の奥深さを感じずにはいられない。



 通りを抜けると麓公園があり、物産品を売る“ふもと横丁”が有る。
公園の中には、映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」のロケ地に成った事を記念
した碑が建っている。この映画は太平洋戦争当時、ここ知覧の地で特攻隊員と関わっ
た鳥濱トメさんや知覧高等女学校生徒との暖かくも悲しい交流を描いたものである。

 その鳥濱トメさんが営んだ食堂が、資料館として復元され近くに残されている。(続)





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