

集落に降りてすぐ右手に有るのが、国の重要文化財に指定されている和田家の建物で、
この辺りでは、最大規模を誇る合掌造りである。
更にその先には、神田家、長瀬家等の巨大な合掌造りが並んでいて、これらは有料で
内部が公開されていて、その構造や造りを間近に見る事が出来る。


建物に入ると広い三和土の土間が有り、そこから座敷に上がる。
その座敷の中央には囲炉裏が切られていて、赤い炎が揺らいでいる。
柱や梁の巨大な木組みはどこも煤で黒光り、その歴史を感じさせる堂々とした作りで
見るものを圧倒する。


集落の外れに真宗大谷派の寺院である明善寺が有る。
県の天然記念物に指定された“イチイ”の大木の横に建つ茅葺の二層構造の山門を潜ると
茅葺合掌造りの本堂、鐘楼、庫裏等が広い境内に配置されている。

その本堂は築270年、庫裏は築200年と言われ、県の重要文化財に指定された建物だ。
綺麗な曲線を描く大屋根は圧倒的な質感で美しく迫ってくる。

その隣に建つ白川八幡神社の境内には、“どぶろく祭りの館”が有る。
“どぶろく祭り”は毎年10月14・15日に行われる祭礼だ。

ここはその様子を人形や模型や資料等で紹介する施設で、見学の最後には希望すれ
ば“どぶろく”(当日朝の日供祭に供えられた御神酒)が振舞われる。

切立(堤銚子)と言われる銚子に入れられた“どぶろく”を、盃に受けて頂く。
“どぶろく”は、白く濁っていて、とろみが強く、やや酸味があるものの、芳醇で思ったよ
りも飲みやすい。(続)


