3年前の春、高山を訪れた折の事である。
特急・ワイドビューひだが、飛騨一宮の駅を通過した辺りから、車窓右手の山並みの
遥か先に、雪を抱いた穂高連峰が見え隠れしていた。
それは列車が高山に近付く程に、真っ青な空をバックにより鮮明に際立って見えた。

その日は高山で列車を降り、宿を取った新穂高温泉にバスで向かい、翌日ロープ
ウエーで西穂高口まで登る予定にしていた。
しかし、余りにも綺麗に見える穂高連峰に心ひかれ、予定を急きょ変更した。
天気予報が明日以降下り坂を告げていたので、絶景を見るにはこのチャンスは逃せ
ないと考えたのだ。

少なくとも最終のロープウエー、もしかしたらもう一本前に間に会うかもしれないと、
駅前からタクシーを飛ばした。バスでは無理だが、タクシーなら・・と思ったのだ。
進むほどに高度が上がり、澄み渡った青空の下で雪の山頂がキラキラと眩いほどに
輝く穂高連峰が近づいてくる。


時計を見てはじりじりしながら、「飛ばしてくれ・・」とも口には出せず、「出来れば最終
の一つ前(15時30分発)に乗りたいので・・・」と謎を掛ける。


高山から1時間、遥か前方に乗り場が小さく見え始めた時、残念にもその1本前の
ロープウエーが麓駅を出て行った。

途中、路面に雪の残っているところもあり、安全運転には越したことは無いが、もう
5分早ければと小さく成って行くゴンドラを見上げながら地団駄を踏むのである。(続)

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特急・ワイドビューひだが、飛騨一宮の駅を通過した辺りから、車窓右手の山並みの
遥か先に、雪を抱いた穂高連峰が見え隠れしていた。
それは列車が高山に近付く程に、真っ青な空をバックにより鮮明に際立って見えた。

その日は高山で列車を降り、宿を取った新穂高温泉にバスで向かい、翌日ロープ
ウエーで西穂高口まで登る予定にしていた。
しかし、余りにも綺麗に見える穂高連峰に心ひかれ、予定を急きょ変更した。
天気予報が明日以降下り坂を告げていたので、絶景を見るにはこのチャンスは逃せ
ないと考えたのだ。

少なくとも最終のロープウエー、もしかしたらもう一本前に間に会うかもしれないと、
駅前からタクシーを飛ばした。バスでは無理だが、タクシーなら・・と思ったのだ。
進むほどに高度が上がり、澄み渡った青空の下で雪の山頂がキラキラと眩いほどに
輝く穂高連峰が近づいてくる。


時計を見てはじりじりしながら、「飛ばしてくれ・・」とも口には出せず、「出来れば最終
の一つ前(15時30分発)に乗りたいので・・・」と謎を掛ける。


高山から1時間、遥か前方に乗り場が小さく見え始めた時、残念にもその1本前の
ロープウエーが麓駅を出て行った。

途中、路面に雪の残っているところもあり、安全運転には越したことは無いが、もう
5分早ければと小さく成って行くゴンドラを見上げながら地団駄を踏むのである。(続)


