飯田線は、右に南アルプスの赤石山脈、左は日本アルプスの木曽山脈
の山並みに挟まれた、いわゆる信州では南部に当たる伊那谷と呼ばれる
地を通っている。
そこは、天竜川により形成された、河岸段丘の段丘面と言う平坦地で、
中央高速道路も、国道153号線も、皆一様にこの狭い盆地を北に向け駆け
抜けている。

ここまで来ると駅名にも「伊那○○」と言うように、「伊那」を冠し
た駅を度々見かけることになる。
山吹駅を出て暫くし、進路を北に向けるとやがて標高500mを取返し、
その先が伊那大島で、ここでもまたまた8分間の停車がある。
相対式の2面2線のホームを持つ有人(簡易委託)駅で、ここでは列車
の交換がある。

駅付近の標高は519mで、駅前に出てみると、心なし空気がひんやり
としているようだ。
南アルプス登山の最寄り駅で、登山客の利用が多いらしい。
駅の改札横には待合室ではなく、「登山者休憩所」も設けられている。

駅前からは、南アルプス塩見岳(3,047m)方面への登山ルートのあ
る鳥倉登山口に向けたバスが、季節限定で一日2往復運行されているよ
うで、駅前から登山口までは2時間近く掛かるそうだ。

この先で列車は伊那谷を駆け抜けると言いたいところだが、ここから
駒ヶ根辺りまでは、川を避けるように右に左に細かく蛇行する。
また25‰の急坂が幾つもあり、車体を傾け、鉄輪を軋ませながら、速度
を落として北上する。

しかしその急カーブと急勾配のお陰で、その度に車窓が大きく変化す
るさまは中々に贅沢で、この路線の中ではハイライト区間ともいえる風
景が展開する。(続)


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の山並みに挟まれた、いわゆる信州では南部に当たる伊那谷と呼ばれる
地を通っている。
そこは、天竜川により形成された、河岸段丘の段丘面と言う平坦地で、
中央高速道路も、国道153号線も、皆一様にこの狭い盆地を北に向け駆け
抜けている。

ここまで来ると駅名にも「伊那○○」と言うように、「伊那」を冠し
た駅を度々見かけることになる。
山吹駅を出て暫くし、進路を北に向けるとやがて標高500mを取返し、
その先が伊那大島で、ここでもまたまた8分間の停車がある。
相対式の2面2線のホームを持つ有人(簡易委託)駅で、ここでは列車
の交換がある。

駅付近の標高は519mで、駅前に出てみると、心なし空気がひんやり
としているようだ。
南アルプス登山の最寄り駅で、登山客の利用が多いらしい。
駅の改札横には待合室ではなく、「登山者休憩所」も設けられている。

駅前からは、南アルプス塩見岳(3,047m)方面への登山ルートのあ
る鳥倉登山口に向けたバスが、季節限定で一日2往復運行されているよ
うで、駅前から登山口までは2時間近く掛かるそうだ。

この先で列車は伊那谷を駆け抜けると言いたいところだが、ここから
駒ヶ根辺りまでは、川を避けるように右に左に細かく蛇行する。
また25‰の急坂が幾つもあり、車体を傾け、鉄輪を軋ませながら、速度
を落として北上する。

しかしその急カーブと急勾配のお陰で、その度に車窓が大きく変化す
るさまは中々に贅沢で、この路線の中ではハイライト区間ともいえる風
景が展開する。(続)


