簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
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奥の細道最上川ライン(JR全線乗潰しの旅)

2010-03-16 | Weblog
「五月雨を 集めて涼し 最上川」
元禄2年5月、最上川と始めて対面した芭蕉は、この土地の句会でこう発句したと言う。
しかしそれがなぜか「五月雨を 集めて早し 最上川」と今に伝えられている。
梅雨時の最上川はその水量も多く、流れも早い事から、いつしかこんな風に変化して
しまったのかも知れないが、その当たりの事情を私は知らない。

 【写真:陸羽西線は0番線から】

陸羽西線は、殆どの列車が酒田駅始発で、暫くは羽越本線を走り、内陸の余目駅を目指す。
そして、ここを基点にほぼ東に進路を取り、山形県の新庄までの43Kmを10駅で結ぶ。
最上川に沿って走ることから、その愛称を「奥の細道最上川ライン」と言う。

乗り合わせた女学生に「鳥海山は何処に見えるの?」と聞いてみた。
すると、「こっちに・・・・」と指を指し、教えてくれた。

 【写真:車窓から鳥海山を望む】

しかし、その先には幾重にも重なり、低く垂れ込める灰色の重い雲が見えるだけだった。
それでもその方向に目を凝らしていると、列車が進むに連れ、雲の切れ目から美しい稜線
らしい山容が見え隠れし、車窓を慰めてくれる。
雲が無ければ、「出羽富士」と言われる端麗なその姿を見ることが出来たのに残念である。

 【写真:清川付近】



そんな景色に気を取られている内に、いつの間にか最上川が近づいてきた。
「日本三大急流」の一つと言われる割に、流れは早くなく、緩やかに見える。
それでも水量は多く、悠然と流れるさまは、風格さえ感じられる。

ふとおしんが、船出したのはどの辺りだったのだろう、とテレビのワンシーンが浮かんだ。
NHKのテレビ小説「おしん」で、幼いおしんが船出した最上川のシーンは、視聴者の涙を
誘った名場面として今も語り継がれている。
この川の何処で収録されたのであろうか・・・などと考えているうちに、車窓は結露で曇り
川は見えなくなってしまった。

内陸に入って、外気温が下がってきたのかも知れない。
列車は間もなく新庄駅に到着する。(続)

 【写真:新庄駅に到着】

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