とにかく人の多さに驚かされる。どこに行っても人、人、人・・・。
駅前にも、ここまで乗ってきた乗り合いバスにも人は多かったが、ここに来て
更に人口密度は高まっている。広い通りにも、狭い路地も、テイクアウトの店
先も食事処も、どこもかしこも人が群れて溢れている。
菓子屋横町も例外ではない。
石畳の道に20軒ほどのお菓子屋さんなどが立ち並ぶ狭い通りは、まるでお祭り
の縁日のような人出である。素朴な懐かしい安らぎなど感じられる風情では無い。
店を覗こうにも店先ではじかれて入れない。人気のスイーツの店先には長い行列
が出来ている。
通りも人が多く思うように歩けず、その石畳も見えないほどの混みようだ。
その人波のピークは、この町のシンボルとも言える「時の鐘」の有る辺りだ。
人混みに車が錯綜し、まるで終始が付かない様子だ。これが日常的な光景なら、
年間の観光客数も大げさな数字ではなく、納得できる程にとにかく人が多い。
「時の鐘」は、江戸時代の初め頃から城下に時を告げ、町民に親しまれてきた
という。全国的にも時の鐘は残されているところもあって、格段に珍しい存在で
はないが、ここのものは、川越大火で一度は焼失して無くなったものを、再建し
たものだという。
今有るものは4代目に当たり、機械仕掛けだそうだ。
江戸情緒の色濃く漂う町並に響き渡る鐘の音には、恐らく川越商人達のその心意
気が聞こえて来るのであろう。
そんな鐘の音は、午前六時、正午、午後三時、午後六時の一日四回なるそうだが、
残念ながら聞くことは叶わなかった。(続)
東北に伝わる「伝統こけしを訪ねる旅」
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