通りの中央に京阪電鉄京津線の軌道敷が敷かれ、ここでは電車もゆっ
くりと路面電車並の速度で行き来している。
右方向に「びわ湖浜大津駅」があり、同線では主要なターミナルだ。
京阪の京津線は、御陵から京都地下鉄東西線に連絡し、太秦天神川まで
乗り入れている。
この駅では石山坂本線が分岐し、南に向かえば終点は石山寺駅だ。
紫式部所縁の石山寺の門前までは、歩いて15分ほどである。
反対の北に向かえば途中に三井寺駅が有り、途中近江神宮前を経て、
比叡山の麓の「坂本比叡山口駅」まで運行されている。
ここでケーブルに接続され、登れば比叡山延暦寺の東側の入口である。
京町の郵便局辺りで京阪線は右の人家の中に入り込むが、東海道はそ
のまま直進する。広々とした通りは、幾らか上り勾配になっているが、
この辺りを逢坂町と言う。
道中に「ゆ」と書かれた大きな看板を掲げる銭湯がり、営業案内が張
られている。現役の正真正銘の銭湯らしく、屋号は小野小町が使った関
の清水に由来するという。
歴史の感じられる切妻瓦葺平入り二階屋、入口屋根は銅板葺唐破風で、
これが建物を一際引き立てている。正面は越高まで小さなタイル張りで、
上にアルミサッシ窓が嵌めてある。銭湯は明治期から続いているらしい。
大津市HPによると市内には現在も営業を続ける銭湯(一般公衆浴場)
が8軒あると言う。
当地は、第二次世界大戦で二回に渡りアメリカ軍のB29による爆撃を
受けたらしい。大津陸軍少年飛行兵学校や、滋賀海軍航空隊基地があり、
ここが狙われ被害を受けたようだ。
それでも、市内には戦火を逃れた地も有ったらしく、町中の趣のある
古い町屋も数多く残されてきた。激しい空襲を受けただけに、その数が
意外に多いことが驚きである。(続)
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