東海道は大津宿の中心的な場所を出ると札の辻で、そこを直角に曲り
南に進路を取り、京阪電車の走る通りを緩やかに上っていく。
京町郵便局の辺りで、右の民家の中に入り込む鉄道線と分かれ、街道
はそのまま直進、上栄町で、左手奥にJR大津駅を見て、右の小町の湯
を過ぎると東海道本線を高架橋で越える。
右下に線路とトンネルの入口が見えるが、これは並走する京阪電鉄京
津線の蝉丸跨線橋(煉瓦橋)である。
同線の上栄町駅と大谷駅の間は京津最大の難所と言われている。
勾配は最大61‰(パーミル)、同社の鉄軌道線では唯一の山岳区間で、
急カーブや、東西の高低差が約10mもある急勾配トンネルを抜けていく。
静岡県を走る大井川鐵道の井川線には、アプト式電車が採用されてい
る90‰区間があり、これが日本一で、第二位は箱根登山鉄道の80‰で、
それに続くのが京津線のこの区間である。
都市を結ぶ路線としては珍しいほどの急勾配を上る電車は、カーブも
大きい事から、車輪を軋ませながら、ゆっくり、ゆっくりと上っていく。
新幹線や在来線で東海道を東に向けて乗車していると、何れも京都駅
を出ると直ぐにトンネルに突入するが、それがこの逢坂山(おうさかや
ま)トンネルである。逢坂山は、大津市の西部に位置する標高325m程
の山で、トンネルはその頂上付近の下に穿たれている。
東海道は緩い坂を上りながら、JR東海道線を跨線橋で越える。
眼下には逢坂山トンネルに向かう複々線化された線路が見えるが、ここ
からは、手前の京阪京津線の跨線橋に隠されて、残念ながら歴史を秘め
た風情のあるその入口は望めない。(続)
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