中部天竜駅を出ると列車は直ぐに天竜川を橋梁で渡る。
と直ぐ左手に要塞のような、佐久間発電所の巨大な施設を目にすること
が出来る。豊富な天竜川の水力を利用した水力発電所だ。
そんな施設に目を奪われていると、2分程で1面1線の無人駅である佐久
間駅に到着する。
位置的には施設の背後の山の向こうに昭和31(1956)年8月に完成し
た佐久間ダム(重力式コンクリートダム)がある。あの山の中を巨大な
導水路が貫き、発電用の水が流れ落ちているのかと想像ができる。
国土地理院の高度地図によると、ダム辺りの標高はおよそ280mで、発
電所施設辺りの標高は140m程度、単純に考えれば140mの落差となる。
この落差によって水車ランナを廻し、そのエネルギーによる発電機で電
気を起こしている。
車窓から見えるのは、変圧器や送電線と、発電に使われた後再び天竜川に
返される放水施設で、建物内部の発電機などは解らない。
日本の電気事業は、導入当初、関東地方ではドイツから、関西地方では
アメリカから技術や機器が輸入されたことにより、未だに地域により異な
った周波数と成っている。
丁度この天竜川流域が、周波数50ヘルツと60ヘルツの分かれ目だ。
一般水力による年間総発電量日本一というこの発電所では、周波数は
どちらにも対応できる兼用となっているらしい。
中部天竜の駅前には、周波数変換所と言う施設もあって周波数変換の融
通がより効きやすくなっているという。
ここで生み出された電力は、東京電力と中部電力に送られている。(続)
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