簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

三州へ(東海道歩き旅・三河の国)

2021-11-01 | Weblog
 東海道32番目の宿場、白須賀を出ると、次の二川へはその距離凡1里
17丁(約5.7㎞)である。
起伏も小さく、ゆっくり歩いて1時間半も見ておけば充分な距離だ。
遠州灘には背を向けて、これからは内陸部に向かうことになる。



 宿場を出て暫く歩くと、白須賀宿の加宿である「境宿」の小さな集落
を抜ける。
加宿とは、一宿では賄えない程規模の小さな宿場では、隣接する村にそ
の補完的な役割を課し、機能を維持する為に協力を求められた宿の事だ。
伝馬制では宿場が用意すべき人馬の数を定めていて、その不足を補うの
が主な目的である。



 その先で県道173号線に合流し、これから暫くはそこを歩く事になる。
やがて前方に小さな川が見えてくる。
うっかりしていると見逃しそうな、川幅が数メートル程の小さく目立た
ない川だ。
護岸された人の背丈ほどの堤が有り、幅の狭い用水路が掘られていて、
その底を静かに水が流れている。



 この川を境川と言い、名前の通り遠州と三州を分ける川で、愛知県が
管理している。今でもここが静岡県と愛知県の県境になっている。
道路にも、愛知県豊橋市に入った事を示す大きな標識が立てられている。
振り返れば東に向かう道路には、静岡県湖西市の標示も見える。



 嘗ては土橋か木橋でも架けられていたのであろうか、今では橋と言う
より広々とした道路の一部である。車なら何も知らないうちに行き過ぎ
てしまう、そんな境川橋を確認しながらゆっくりと渡る。
橋の脇にはガードレールに隠れるように、三角柱の県境を示す杭が立て
られていた。



 昔から国境は境界争いが絶えないものだが、川なら一目瞭然で解り易く
て良いようだ。これまでも国境の川は、幾筋も目にしてきた。
しかし流れの定まった川なら良いが、大雨で流れが変ってしまったらどう
なるのか・・・等と、いらぬ詮索を妄想しながら、遠江の国を抜けようや
く三河の国に入ってきた。(続)



 ホームページも見てね 


にほんブログ村 旅行ブログへにほんブログ村

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 旧河本町(西大寺鉄道廃線跡... | トップ | 一里山(東海道歩き旅・三河... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事