簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

うたかたの夢(JR乗り潰し・伯備線)

2016-10-21 | Weblog
 「あの頃はよかった」「これなんか、飛ぶように売れた」「終わった途端、
潮が引くように人が来なくなって・・・」
色々な所を巡っていると、時々こんな商店主などの言葉を耳にする。



 ある時期から突然観光客が増え始め、あれよ、あれよと思う間もなく人が
溢れ、地域は盛り上がり、まるでフィーバー状態に陥るも、これが長続きす
ることもなく、喧噪の想い出だけを残し、やがて人々は去って行き、気が付
けば地元は元の鞘に収まっている。



 日曜日の夜8時、NHKの大河ドラマの舞台ゆかりの地での話である。
ドラマの放映が始まると、それを演じる役者さんそっちのけで、こうした縁の
地やロケが行われた場所が盛り上がり、俄か観光地として脚光を浴びる。



 人々はそんな話題に乗っかれと、行列や雑踏のような人出も厭わない老
若男女が連れだって観光バスやマイカーで乗り付け大挙して押し掛ける。



 しかし、人の気持ちは移ろいやすく冷めやすい。
放映が終わり年が明け新なシリーズが始まり、一年が過ぎやがて二年も経
てば・・・早目移りがしてそんな地には見向きもしない。
かくして地元は、冒頭の嘆きと、落胆のため息となる。



 一躍脚光を浴び俄かに賑わった観光地も、放映が終わると当たり前のよ
うに潮が引く。元々に知名度のある観光地ならば、以前の状態を取り戻す
だけに過ぎないが、俄か仕込みの付け焼刃では虚しさだけの文字通り一
過性に終わってしまう。
全国のゆかりの地には、そういう事例は残念ながら数多くあるようだ。(続)


(写真:本文とは無関係    備中松山城の写真は今回で終わり)



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