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関西方面から東海道新幹線で東京方面に向かう時、列車が東海道本線
と接し、車内では名古屋到着を告げる放送が始まらんとする頃、車窓左
手に一瞬小さなお城が見える。
しかし車窓はアッと言う間で、直ぐにキリンビールの工場に変わって
しまい、うっかりしていると見逃してしまいそうだが、これが清洲(清
須)城である。
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今日の淸洲城跡は、この清洲城のある本丸ゾーンと、五条川の対岸の
「清洲古城跡公園」と、東海道本線と東海道新幹線により分断された北
側の「清洲公園」の三つに分割されて広がっていてその中心を成すのが、
車窓からも見える清洲城だ。
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江戸時代初期、清洲越しが行われ町は人口が激減し寂れ、農民だけの
寒村となってしまった。城も解体され、名古屋城築城の建築資材に流用
され、廃城となり何も無くなった。
因みに名古屋城の西南角に残る隅櫓は、「清洲櫓」と呼ばれ、嘗ての
清洲城天守閣で唯一の清洲城の遺構として知られている。
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今有る城は、町制100周年を記念し、平成元(1989)年に、鉄筋コン
クリートで造られた。創建当時の絵図面は残っていないらしく、桃山時
代の城郭を参考に創造・復元された物だ。
黒瓦に白い漆喰の壁、最上階の赤い欄干が印象的な城である。
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城の跡地は保存され、公園として町民に開放されてきた。
清洲城天守閣から五条川に架かる大手橋を渡った対岸がその「清須古城
跡公園」である。
最初に目に付く建物が、「清須ふるさとのやかた」だ。ここにはボラ
ンティアスタッフが常駐し観光案内をしてくれる。
地元産のお土産販売や、手作り甲冑の試着が出来るサービス等もある。(続)
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