飯田線は佐久間駅を出ると一旦天竜川から離れ、東寄りに進路を取り、
国道152号線に出会い、併走するように北上する。
幾つかの駅を過ごし、水窪駅を出た辺りで進路を西に取り、大嵐駅の辺
りで、再び天竜川に沿って北上する。
嘗ては佐久間駅からそのまま天竜川に沿って北上し豊根口、天竜山室、
白神という駅が有ったが、佐久間ダムの完成により水没する為、線路が
付け替えられた。
その結果、相月、城西、向市場、水窪の各駅が置かれ、長大なトンネル
の連続する区間に変貌した。
城西を出て、第一久頭合トンネルを抜け、向市場や水窪の駅を経て、
その先で飯田線では最長の大原トンネル(5,063m)を抜けるとやがて
大嵐(おおぞれ)駅である。
駅は静岡県に位置し、1面2線の島式ホームがあるが、その前後は
トンネルに挟まれていて、勿論無人駅である。
駅前に鷹巣橋という吊り橋が架けられていて、対岸に渡れば愛知県の
富山集落もある。
そんな事情もあってか、失礼ながら辺鄙な山間の駅にしてはモダンな
「みんなのやすむところ」と名付けられた建物が山を背に建っている。
石と赤いレンガを用いた作りは、東京駅を模したものだといい、平成9
(1997)年に地方交付税などを使い建てられた。
この建物はJR東海のものでは無く、正式には所有者が愛知県豊根村で
あるから、駅舎では無く、単なる休憩施設なのだそうだ。
周辺一帯は、「天竜奥三河国定公園」で、湯の島温泉も有り、登山や
ハイキングに訪れる観光客の鉄道利用が見込めるのであろうか。
しかし、温泉までは徒歩で30分、バンガローなら60分もかかるらしく、
その為、駅には無料のレンタサイクルが用意されているという。(続)
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