簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

筆捨山(東海道歩き旅・伊勢の国)

2023-08-11 | Weblog

 東海道は西の追分けを右に取り進路を北に向け暫く国道1号線を歩く。
次の坂下宿へは一里半六丁(6.5㎞)、鈴鹿峠に向けた緩やかな上り坂が
待っている。

 ガイドブックにはこの辺りに、「転び石」が記載されているが、見落
としてしまった。右側の駐車場の敷地の中にあったらしい。



 鈴鹿川が一ノ瀬川と名前を変える辺りで、右の旧道に入ると市瀬の集
落に入る。とは言え人家が密集している訳でもなく、人も車も殆ど通ら
ない長閑な里山だ。この辺りまでは、所々で旧道が残されているものの、
多くは国道1号線を歩く。



 峠に向かう、或は峠を下る多くの車が、信号や溶断歩道の少ないのを
良いことに、恐ろしいほどの勢いで行き交っている。
歩道のガードレールが無ければとても怖くて歩けない。



 関と坂下の中間辺りに位置する、筆捨の集落に入ると、右手に筆捨山
(285m)が見えてくる、とガイドブックにはある。
 江戸時代から知られた名勝で、立場があり、峠を上り下りする旅人は、
筆捨茶屋で身体を休め、鈴鹿川と対岸の山を眺め、四季折々の景色を楽
しんだという。



 説明によれば、室町期の画家・狩野元信がこの山を描こうとしたが、
雲や霞が立ちこめ、日々刻々山の姿が変わってしまい、とても画けなく
てとうとう絵筆を捨ててしまったとの言い伝えから、岩根山がこのよう
に呼ばれるようになったと言う。



 今はそんな茶屋も無い農家だけの集落で、あれが・・と思える山は、
嘗ては山頭まで巌が見られたと云うが、木々が生い茂ったのか、取り
立てての景観でも無い。

 恐らく・・とは思うが、実際にどの山が筆捨山なのか分からないし、
聞こうにも人の姿さえ見えない寂しいところだ。(続)





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