簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

列車のトイレ事始め

2022-09-26 | Weblog
 いきなりトイレの話で恐縮です。
列車にトイレ付の客車が初めて連結されたのは、明治22年の事だそうだ。
それまでは長距離を走る列車でもトイレの設備は無かったと言う。



 ある日時の政府高官が、列車の停車中に駅のトイレで用を足していた。
すると列車が動き始め、気付いた高官はあわてて列車に飛び乗ろうとし
たが失敗した。悲惨な事に足を踏み外し線路に転落、列車と接触して死
亡すると言う事故が起きてしまった。



 この痛ましい事故がきっかけでトイレ付車両が導入されたという。
しかし当初乗客はトイレは付いたものの運転中の使用はできないものと
思い込み、列車が駅に停車すると一気に多くの乗客がトイレに殺到した。
その結果列車が発車した後の線路上には、大変な量の落とし物が残され
ていたそうだ。



 その後多くの車輌にトイレの設備が普及したが、当時はタンクもなく
垂れ流しであった。このため、鉄道沿線の住宅地域では汚物が飛散する、
悪臭がするなどと新たな「黄害」が社会問題にもなった時期が有った。



 経済の高度成長期に入ると、住宅の建設等で沿線の開発が進むにつれ
「黄害」問題は大きくなっていった。
その後列車には貯留タンクが設けられるようになったが、何せ数も多く、
経費もかさむから作業は遅々として進まなかった。
驚くことに、こんな不衛生な垂れ流しは延々と続き、完全に改善された
のは2002年のことだと言う。



 最近では使用する水も僅かで、中にはバイオ技術を導入したトイレま
で現れている。列車のトイレ設備は気付かないうちに格段に進歩を続け
ている。(写真:南丹市美山町北「茅葺きの里」 本文とは無関係)



来月から「東海道歩き旅・尾張の国・後編」の連載が始まります。



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