簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

「たかやま」号と パノラマ・カー(JR全線乗り潰しの旅)

2013-04-05 | Weblog

 
 鵜沼駅の右手に見える名鉄の新鵜沼駅から、大きくカーブして高山本線に繋がれた
当時の連絡線の痕跡が、今も構内には残っている。

 昭和40年代名鉄は神宮前駅から犬山線を経由し、ここ鵜沼から当時の国鉄の高山
本線に乗り入れるジーゼル気動車、準急「たかやま」号の運行を始めた。
 たかやま号はその後急行に格上げされ、更には「北アルプス」と名を変え、特急まで
上り詰め名鉄新名古屋駅発着となったが、平成に入ってその運行は中止された。



 懐かしく思い出される。
名鉄の電車は、新鵜沼を出るとすぐに木曽川に架かる犬山橋を渡る。
当時は、その橋の中央を名鉄の線路が通り、その両側が一車線の車道となっていた。
狭い橋を電車と車と人が行き来する情景は、三連トラスト橋の景観と相まって、ジオラマ
を見るようで何とも郷愁を誘うものであった。



 橋の中ほどまで来た「パノラマ・カー」は、高らかにミュージックホーンを鳴らしながら、
ゆっくりと「犬山遊園」駅のホームに滑り込んで来る。
そんな真っ赤なボディの特急に、ゾクゾクとする興奮を覚えた少年時代が思い出される。



 何と言ってもこの電車の魅力は先頭の展望車、その最前列のパノラマ席である。
運転席が二階に上がっているので、前面に遮るものは何もない。
大きく開放的に広がった窓の下に油圧緩衝器箱があり、ここに手を突いて、身を乗り
出すようにパノラマを楽しんだものだ。(続)


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黄金色の信長像 (JR全線乗り潰しの旅)

2013-04-03 | Weblog
 起点の岐阜駅前には、金箔が三層に貼られた信長像が黄金色に輝いて建っている。
岐阜市の市制120周年を記念し、広く市民から募った募金で製作費の3000万円を賄っ
て建てたと言う像で、2009年9月に除幕された。
 8メートルの台座の上に立つ、3メートルの信長はマントを羽織り火縄銃と西洋かぶと
を手にしている。





 名古屋を出る特急は、起点の岐阜駅から進行方向を変えて発車する。
左手遥か先には岐阜市のシンボル、金華山に立つ岐阜城が見える。



 駅を出てすぐに名鉄名古屋本線を跨ぐと、左手下に名鉄岐阜の駅が見えてくる。
少し前までは新岐阜と呼んでいた、名鉄名古屋本線の西側の終着駅である。



 JRの駅とは三百メートル以上離れており、乗り換えの便は決して良くは無い。
JR岐阜駅は、県の都市計画で多層化された駅に改装され、その高架化に合わせ
名鉄線の高架乗り入れも検討されたようだが、総合ターミナル化は実現に至っては
いない。



暫くは人家の密集地を、名鉄の各務原線とほぼ併走する。
右手に航空自衛隊の基地が見えると各務原で、その先で木曾川が近づいてくると
鵜沼だ。



 ここを過ぎると線路は、「日本ライン」と呼ばれる木曽川と寄り添うように延びていく。
川の向こうは愛知県、国宝の犬山城や日本モンキーパーク、成田山、桃太郎伝説に
因む桃太郎神社等が揃う一大観光地だ。(続)


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高山本線  (JR全線乗り潰しの旅)

2013-04-01 | Weblog
 高山本線は、全長225.8キロ、この間に45の駅が有る、岐阜と富山を結ぶ路線である。
途中の杉原を過ぎると岐阜県境を越え、富山県最初の駅が猪谷で、この間でJR東海と
JR西日本の線路境界を跨ぐ。





 出発は広大な濃尾平野で、暫くは岐阜市街の住宅地が続くその北端を進む。
やがて山岳部に入りこむと、飛騨山脈、所謂北アルプスの西側を、飛騨川や神通川に
沿って走り、飛水峡、中山七里など、山と川と渓谷美に恵まれた見応えのある風景が
車窓に展開する山岳路線でもある。



 沿線には草津、有馬と並び「日本三名泉」の一つに数えられる下呂温泉や、しっとり
と落ち着いた雰囲気の町並が人気の「飛騨の小京都」と言われる高山、勇壮な「古川
祭り・起し太鼓」で知られる飛騨古川、更には哀調の音色を奏でる胡弓で有名な「おわ
ら風の盆」の越中八尾など、観光処にも事欠かない見所も多い路線でもある。



 そのためか、名古屋からは凡そ1時間に1本の割合で、特急「ワイドビューひだ」が
高山方面に、その内の何本かは、富山まで運行されている。
また大阪からは東海道線を経て、岐阜駅で名古屋発の特急に併結され運行されている。





 その反面普通電車は、便が良いのは美濃太田までで、その先は頗る悪く特に下呂・
高山の間は昼間ほとんど走らない時間帯も有る。また富山県側の猪谷から先は凡そ
2時間に1本程度しか走らない。(続)


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