脳科学者の池谷裕二氏の著書。「脳には妙なクセがある」を、読んだ。
読みながら、脳の働きと弓道との因果関係を検証してみた。
恋をすると脳の処理能力が上がる!?
損得抜きで相手に尽くそうとする気持ち。特定の異性に対してすべてを犠牲にしても後悔しないという熱い思い。恋愛は盲目性を生み、この盲目性が原動力となって、意外な勇気、あるいは無謀を与えてくれる。脳の処理能力は、身体的には具体例がないが、判断する時間があがるらしい。また、やる気やモチベーションに関わる脳深部が活性化する。
では、弓道との因果関係があるのかというと、この「尽くして求めず」と、言う言葉が、常日頃弓道人には求められること。尽くせば求めてしまう。恋も、尽くして成就したいではないか。問題は脳の働きなのだが、尽くして求めてしまう心が的から遠ざかるのである。本当に尽くして求めずという心境になるにはどうしたらよいのか。尽くさず求めるという問題外の考えも浮かぶのである。棚からぼた餅、濡れ手で粟を掲げて生きていることの軽薄さ。尽くして求めずなので、的中がなくても当然なのか。いや、的があるのに中てなくては。この葛藤は、愛すべきか、否かということか。熱い恋をしなくては。いや、今更・・
脳は妙に人目を気にする!
社会的認知を「自分と同種の生物に対する行動を支える情報処理過程」と定義している。定義の例として、行動の「抑制」と定義する研究者もいる。それは、「一人の時に出来る行為が、人前で出来なかったとすれば、それは社会的認知だ」というもの。
では、人目を気にして、いつものようにできないというのは、社会的認知なのか。平常心で臨めというのは、人前でも平気でおならをしろということか。あぁ。やはりできない。人前で弓を引くと、他人に謙虚になり的中も謙虚になるのだ。