2週間の闘病というと大げさだが、それに近い状態だったので、弓を引いて愕然とした。足も腕も筋肉がぷにょぷにょになったのではないかという感じだ。
矢は殆ど下へ抜ける。けれど、そもそも弓を引く時に、どこかにわざわざ力を入れるものではないし、骨法に従って引けばよいのであるが、それでも、最低限の筋肉の力はいるわけで、それがどう作用するのだかわからない。
弓道誌の9月号に「筋肉の話」が、載っていた。筋量の減少を「サルコペニア」と、いうらしい。骨法における正しい線の実現には、筋肉の働き、とりわけ筋緊張の均衡が重要である。要するに、バランスが必要なのだ。
骨だけではバランスを保てない。筋肉の緊張のバランスは、練習の不足や中断、故障などで簡単に失われる。まさしく、簡単に失われたことを実感した。
少しの中断期間の後、ビクリ、震えや早気は、このサルコペニアと関係すると思われる。自分の力より少し無理をかけるくらいでないと、今の状態を維持するのが難しいのではないか。2週間で失ったものは、どのくらいの運動と期間で戻せるのだろうか。
最大筋力の30%以上の運動の継続をしなければ、筋力を維持できないという。すると、今より少し強い弓を引いた方がよいのか、いや、それで故障してはもともこもない。
分かったことは、そのことについて、ここであーたら、こーたら、言っていても始まらない事だけは確かだ。